通勤の車窓を眺めるように、はてなの風景をつれづれにまとめていきます。文中でふれたブログは、記事下の関連リンクからもたどれます。訪ねてみてください。日曜日の衆院選、投票は行かれましたか。はてなでも選挙について様々な文章が書かれていました。投票へ行くか行かないか、という視点でいくつかご紹介いたします。
▽ http://zeromoon0.hatenablog.jp/entry/2014/12/10/124348
ブログ「無要の葉」のぜろすけさんは、期日前投票へ行ったそうですが、ここで綴られるのは、「選挙に行きたくない」人の話。行きたがらないのは、必ずしも政治に興味がない若者ばかりでもないらしい。もう若者とは呼べない年齢の人が「選挙に行きたくないのは投票会場の雰囲気が嫌だから」とこぼすのを聞いたとのこと。かれらにとって投票は「知的でお高くとまった行為」であり、投票所へ何を着て行ったらいいのかも分からない。候補者の比較や白票を投じるといった選択以前の、生活と政治との白々しい乖離(かいり)の気分について述べられています。
どうして投票へ行くのか、国民の権利とは分かっていても、本当に世の中の役に立っているのか、無力感もありよく分からないところがあります。ブロガーのトピシュさんの文章にその理由は書いてありませんが、「選挙の日常」と題された記事を読んでいると、なぜか心が落ち着きました。「投票には家族全員で行くことにしています」とのこと。最寄りの小学校へ向かい、通り過ぎる有権者の会話を聞き、投票所では知り合いの立会人に挨拶する。運動場で子供を遊ばせ、近くのラーメン屋でワンタンメンと餃子を注文する。テレビで選挙特番が流れているのを眺めながら、家のリフォームや姑への不満などについて、取り留めもなく話す……。そういう日常が書いてありました。
▽ http://shinkukan.net/entry/2014/12/09/170959
こちらは、選挙にまつわる思い出を書いた文章です。お母様の葬儀の日と東京都知事選の投票日が重なったとのこと。時間的、精神的に、投票へ行く余裕があるか分からないし、自分が行かなくても大勢に影響があるとは思えない。「それでも、投票することにした」と著者はいいます。「何故か、と言われれば、たぶん『親にそう教えられてたから』になる」といいます。「結果として、こういう時にも選挙に行ったということになる。その時の状況次第でまた行動も変わっていただろう。しかし、この、おそらく人生の中でも大変であった時に選挙に行ったということは、自分が生涯を通して選挙に行き続ける理由になったような気がする。たぶん、それは有益とか無駄とか、損とか得といったものじゃないところで」――数年前の選挙の日、こういう風景もありました。あなたは投票へ行きましたか。
Title Photo by ajari