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女川町「多層コンテナ仮設住宅」の“市松模様”構造に注目 建築家の坂茂さんが手掛ける



Disaster Relief Projects for East Japan Earthquake and Tsunami | Voluntary Architects' Network
第2フェーズ: 多層コンテナ仮設住宅(2、3階建)

女川町の「多層コンテナ仮設住宅」は、坂さんが代表を務めるボランティア団体「ボランタリーアーキテクツネットワーク」による「東日本大地震 津波 支援プロジェクト」の活動として建設されました。坂さんは女川町長の安住宣孝さんから「町に十分な平地がなく、十分な数の仮設住宅を建設できない」との話を聞き、この仮設住宅を提案したとのことです。

多層コンテナ仮設住宅は、海上輸送用のコンテナを使った2、3階建てで、市松模様に積み上げているのが特徴です。コンテナの中にはリビングや寝室だけでなく、キッチンやバス、トイレも設置しています。コンテナ同士の間にできた空間には全面ガラスを入れ、開放的なLDKを作ったそうです。戸数は189戸、広さは6坪(1DK)、9坪(2DK)、12坪(3DK)の3種類があります。



町からの要望を受け、駐車場や集会所も建設されました。仮設住宅の周りには、作曲家の坂本龍一さんが寄贈したマーケット、日本画家の千住博さんが寄贈したアトリエも設営されています。

ボランタリーアーキテクツネットワークは仮設住宅の建設のほか、紙管で組み立てられる「避難所用間仕切りシステム」を各避難所に設置するなどの支援活動を行っていました。このシステムは、2004年の新潟県中越地震や、2005年の福岡県西方沖地震の際にも活用されたそうです。
第1フェーズ: 避難所用間仕切りシステム(PPS4)

坂さんは1995年に発生した阪神大震災の復興支援で、坂さんが構造材としてよく利用する「紙管」を使った仮設住宅「紙のログハウス」を建設しました。トルコやニュージーランドなど海外でも、さまざまな支援活動を行っています。

文: あおきめぐみ

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