読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ジャニヲタはなぜアンケートが好き? ブロガーの呼び掛けに約1万人が参加した裏側――ジャニヲタの団扇の向こう側vol.1

はてな カルチャー コラム



こんにちは、はてなブログ「それは恋とか愛とかの類ではなくて」のあややです。初めましての方に向けて一言で自己紹介をするとすれば「ジャニヲタブロガー」と申し上げるのが一番分かりやすいだろうか。文字通り、ジャニーズのファンとしてブログを書いている者である。日々ジャニーズアイドルの皆様の煌きを恩恵として受け、それを手に汗湿らせ鼻息荒めに文字に起こし、せっせとインターネットの海へ放つという活動をしている。

世間一般的な「ジャニヲタ」のイメージがどの様なものであるかは正確には分かりかねるが、私は26歳でありながら「ジャニヲタ」であると申告すると、非ジャニヲタの皆様からは「いい歳してアイドルに恋をしている女」として見られる事がある。その偏見はもはや非ヲタの人間にとっては誰もが通過するお決まりの思考ルートである為、その偏見自体を責める事はないが、その偏見を正す以上に「ジャニヲタ」が面白い人間の集合体である事を、声を大にして言いたくなる。勿論、母数が大きいため全ての「ジャニヲタ」にそれが当てはまる訳ではないという事も忘れてはいないが、私はこれまでのジャニヲタ人生の中で何人もの「才能の無駄遣い」と呼べるジャニヲタに出会ってきた。彼女たちは、好きなアイドルの為に言葉を尽くして語り、データを集計して研究を重ねる。好きなアイドルの為に、存分に才能を発揮する彼女たちの情熱が私は大好きである。今回は、そんな「ジャニヲタ文化」について、はてなニュースで書く機会を頂いた為、私の視点で紹介してみたい。

■ 企画のきっかけは“担降りアンケート”

まず手前味噌で大変恐縮だが、今回は以前に自分のブログで企画したジャニヲタアンケートについて裏話も含め話してみたいと思う。私は過去に自分のブログ内で3回ジャニヲタに対するアンケートを実施し、その集計結果を掲載している。

1回目が「『ジャニヲタは本当に長女が多いのか?』アンケート結果」。こちらは「ジャニヲタには長女が多い」という仮説に基づき行ったアンケート。どんな兄妹構成の女性がジャニヲタになるのかを探っている。

2回目が「ジャニヲタ5000人に聞きました 『ジャニーズと恋愛』に関するアンケート集計結果」。こちらはジャニーズの結婚や恋愛に対して、実際のところファンはどう捉えているのかが知りたくて実施したアンケート。ジャニーズのタレントの事を「常に恋愛対象として見ている」ファンは全体の4%である事が分かった。

3回目が「ジャニヲタ1万人の誕生ルーツを探る 『あなたは、いつ、誰から、どうやって、ジャニヲタになった?』アンケート集計結果」である。一番反響が大きかったのが、3回目のジャニヲタの誕生ルーツを探るアンケートだった。このアンケートは、Twitter上でジャニヲタの皆様に、自分はいつどのグループのファンからジャニヲタになったのかという事を質問させて頂き、最もジャニヲタが誕生した数が多かった年は2005年、またその年最も多くのジャニヲタを生んだグループはKAT-TUNである事を導き出した。1日で約1万人の回答数が集まったという特異な現象にも注目が集まり、沢山の方に読んで頂いた記事だった。

そもそも何故ジャニヲタの誕生ルーツを探るアンケート企画を思いついたのかと言えば、以前「少年コレクション」というジャニーズアイドル文芸同人誌を作っていた際に「担降りアンケート」を実施していた事がきっかけだった。そのアンケートは、ジャニーズファンで言うところの「推しメン」「一番好きなアイドル」である「担当」の変化の傾向を見る為に実施したアンケートだったが、こちらを集計しているうちに、ではそもそもこのジャニヲタたちが「最初に好きになったタレントやそのタイミングって、誰のいつなのか?」という疑問が湧いてきた。「少年コレクション」の担降りアンケートは2013年に実施していたが、そこから2年経過してようやく念願のアンケートを実施する事が出来た。約1万人の回答が集まったものの、「私のTwitterを通して実施したアンケート」である限り、そのバイアスがかかっている事は忘れてはならないが、当時の時代背景と照らし合わせても納得出来る結果が出たのではないかと感じている。

■ ジャニヲタがアンケートを好きな理由


何故、このアンケートは約1万人もの回答を集める事が出来たのか。「仕事だったら1万人のサンプルを集めるのにどれだけの費用を要するか」と、アンケート結果掲載直後に友人から恐れられたりしたが、これは私も自分の事ながら不思議な現象だった。私の興味本位で始めたアンケートにボランティア精神で回答を下さる方がこんなに沢山いらっしゃるなんて、ジャニヲタは日々アイドルに無償の愛を捧げているだけあって、心優しい方が揃っているのだなと感心していた。街頭アンケート等をお願いされた際に、髪の毛で顔を隠して話しかけないでくれオーラを出してしまう自分の事を少しばかり反省した。

「ジャニヲタはアンケートに答えるのが好きだな」というコメントがあったが、それついてはこんな風に語っている人をTwitterで見かけた。「アンケートに回答している間、好きなタレントの事を思い浮かべて幸せな気分に浸れる、だからジャニヲタはアンケートに答えるのが好きなのだ」と。膝を打った。そうか、アンケートという想像の種を蒔いた事で、みんな脳内で花を咲かせていたのか。その花の集計を取りたかった私と、花を咲かせる為の種を貰ったジャニヲタの間にこんなwin-winの関係が成立していたなんて、その考えはなかった。

■ ハッシュタグ祭り、さらなるアンケート企画……広がる余韻

このアンケートにはジャニヲタの「懐古欲」に火を付ける効果もあったらしく、アンケート集計結果掲載直後から翌日にかけて、「#10年選手ジャニヲタを懐かしさでしめやかに爆発四散させる」というハッシュタグがTwitter上で大盛り上がりを見せた。アンケートの回答者のうちの約半数がジャニヲタ10年選手であるという結果が出ていた事から、10年選手のジャニヲタたちが、10年前の懐かしい雑誌の切り抜きや、コンサートグッズ、ファンクラブの会員証等を次々とTwitterに投稿するようになり、それを見た他の10年選手のジャニヲタが自分の家にある懐かしグッズを出してきてTwitterに投稿する、という具合で連鎖的に懐古祭りが開催されていた。速い時はハッシュタグを使ったツイートが1分間に10個以上投稿されていて、後でまとめようにも数が多過ぎて把握出来ないほどの盛り上がりを見せていた。

またこのアンケートの後に出来た文化として、上述のハッシュタグ以外に、私と同じようにルーツを探るアンケートを実施する人が増えた。私はジャニーズ全体についてのアンケートを実施したが、各グループ・個人単位へと対象を限定した形でより凝縮した内容に迫るアンケート文化が盛り上がった。

それにあたって、「アンケートをやる上で気をつけている事等があれば教えて欲しい」という質問や相談を何度か受けた。まずアンケートを実施したきっかけは私の興味ではあるものの、答えて下さる方が居る以上、回答する方の視点に立ち、独りよがりにならないように気をつけている。「回答に手間を取らせない」事を重視して、回答は分かりやすく端的に、自由回答よりも選択式になるような質問を作っている。質問数は5問程度に絞り、1分以内に全ての回答が終わるようにする事で、回答者に負担をかけないよう心がけている。

また回答を集計する際は、出来るだけ皆さんの回答した熱が冷めない内に結果を出せるよう、集計は出来るだけ迅速にまとめる事にしている。無償で協力して頂いたからには、結果を早く報告する事がアンケートを実施する側の誠意、と真面目な事を言ってみたかったが、半分以上は自分自身が早くどんな結果が出るのか知りたいという好奇心で集計を早めていると言った方が正しい。「回答しやすいアンケートを作ること」「集計は出来る限り迅速に」、この2点を私はアンケート企画をやる上でのポリシーとしている。

■ どこからが“ジャニヲタ”なのか

今回のアンケート実施中または集計中に「ジャニヲタの定義とは何か」という事をよく問われた。「あなたがジャニヲタになったのはいつですか?」や「あなたは何歳の時、ジャニヲタになりましたか?」という質問を設けておきながら、この「ジャニヲタ」とはどんな状態を指すのかという事を明示していなかった為、「何処からがジャニヲタなのか」「テレビを見ているだけの茶の間時代はジャニヲタに入るか」等の疑問が多く寄せられた。

「ジャニヲタ」とは、広義の意味で「ジャニーズのファン」全体を指す用語だと私は思っているが、中には「ファン」と「ジャニヲタ」を分ける考え方もあり、人によって様々感覚が違うようだが、その違う感覚を統一する事はまた別の方向に議論が発展しそうだったので、私はアンケート上の「ジャニヲタ」の定義は個人の考えに任せる事にし、結果を掲載したブログ上でも「自己判断に委ねる」としていた。

実際のところ私は自分の中でどのように「ジャニヲタ」を定義付けているかと言えば、「好きなタレントに対してお金を使っているか否か」という線引きにしている。分かりやすいところでの第一歩はシングルCDを買うところになるかと思うが、それまでテレビを見ているだけだったファンが、このタレントの為にお金を使いたい、今まで費やしていなかったところにお金を費やし始めた瞬間、そこを私は「ジャニヲタ」の誕生ラインとしている。あくまで個人的な考えである為、これはまた機会があればもう少し掘り下げてみたいところである。

■ 近藤真彦とSMAPでジャニヲタになったのは「小学生以下」が多い

最後に、ブログでは掲載しなかったものの、集計だけしてお蔵入りとなったデータをここだけに公開しておきたい。アンケートの質問の中には「あなたは何歳の時、ジャニヲタになりましたか?」と「あなたがジャニヲタとして初めて好きになったグループ(もしくは個人)を教えて下さい」という項目があった。その2つの相関関係を集計した表がこちら。

ほとんどのグループで「11歳~20歳」の世代で一番多くのジャニヲタを誕生させている事が分かるが、「近藤真彦」と「SMAP」においては「0歳~10歳」の小学生以下の世代が最大値となっている。また「21歳~30歳」の世代が最大値となっているのは「Kis-My-Ft2」で、デビューした時点でのメンバーの年齢が比較的高かった事から、初めてKis-My-Ft2を通してジャニヲタになったファンの年齢層も高かった事がうかがえる。ジャニーズは10代がハマる娯楽というイメージが強いかもしれないが、何歳からだってジャニヲタは始められると、踏みとどまっている人たちを勇気付ける事が出来る数値が出ていた。

今回は自分のブログの「アンケート企画の裏側」としてこのような記事を書かせて頂いたが、今後はまた別の視点からジャニヲタについて綴っていく予定である。ジャニヲタって意外と面白い、そんな風に感じて頂く事を目指してここから発信していきたいと思っている。

あやや

筆者:あやや(id:moarh
はてなブログ:それは恋とか愛とかの類ではなくて

2001年夏、堂本光一さんプロデュースのジャニーズJr.内期間限定ユニット「☆☆I★N★G★進行形」を見てジャニヲタデビュー。各グループのファンを転々とした後、2015年現在はジャニーズ事務所DD(誰でも大好き)として活動している。グループの最年少が大好物な高知在住26歳。

Twitter:@hraom

文: あやや

関連エントリー