平成16年に国立大学が法人化されてから5年が経ち、大学はより魅力的になるための努力を求められるようになったと言われていますが、その経営の状況はどのようなものなのでしょうか。全国86の国立大学の平成20事業年度、当期総利益をランキングにしたエントリーが、はてなブックマークで話題になっています。
253国立大学の当期総利益 - akamac book review
気になる順位ですが、トップ3は有名総合大学ばかりでした。3位東北大学、当期総利益約46億円。2位は北海道大学で約50億円。そして1位は京都大学、なんと約69億円もの利益を出していました。
69億円と言われても額が大きすぎてまったく想像がつきませんが、ランキング最下位である九州工業大学の当期総利益が約128万円であることを考えると、大学間の利益の差は非常に大きなものです。では、京都大学は一体どこから利益を上げているのでしょうか?
京都大学のフィナンシャルレポートに掲載されている損益計算書を見てみると、経常収益のなかで一番額が大きいのは、運営費交付金収益でした。運営費交付金とは、使い方を指定されないで国から交付されるお金のことです。現在は、運営に必要な額と実際の収入の差を埋めるように交付されていますが、来年度からは成果主義になる方向で議論されているとのこと。国立大学の経営状況は今後よりいっそう格差が広がるかもしれません。
はてなブックマークのコメント欄には、「京大もうけすぎ!学費下げろ」などの声が寄せられています。利益を上げている大学はその資金の有効利用を、経営が苦しい大学は今後の生き残り戦略を考える必要があるのではないでしょうか。