「より“正しい就職活動”のあり方を追求していくことは、私たち企業側の責任であり、義務なのです」――キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)が、今年の採用スケジュールについて書いたお知らせが話題になっています。
▽ 採用スケジュールに関する重要なお知らせ
このキヤノンMJによる告知文によれば、現在の日本経済の先行き不透明な状況を鑑みるに、今年度の人員計画を立てるのが難しく、新卒採用を行うかの決定が4月までずれ込まざるを得ないとのこと。それだけならば、「人員計画を見通せずに、申し訳ありません」という話ですが、この文章が話題を呼んでいるのは、ここからの流れ。
もう一つ、懸念していたことがありました。
新学期が始まったばかりの4月から面接を行うことで、
学生のみなさんから学ぶ機会を奪っているのではないか?
現在、多くの大手企業の新卒採用活動は4月から始まるのが慣例になっていますが、この告知文によれば、それは経団連の倫理憲章に書かれている「学業に専念する時間を十分に確保するため、選考活動の早期開始は自粛する」という文言を企業側が解釈して作り上げた、「暗黙の了解」であったとのこと。そして、キヤノンMJは「就職活動早期化」に伴う様々な問題に向き合い、解決策を探っていくのは企業の責任であり義務であると高らかに宣言しています。
ちなみに、過熱気味の現在の新卒採用については、はてなブックマークでもしばしば疑問を呈する記事が上がってくるようです。企業と学生の双方に多大な負担を強いる現在のあり方が決して好ましいものではないことは、少なからぬ数の人が感じていることのようです。
- ▽ リクナビに頼らない就活 - マロリーな日日(にちにち)
- ▽ 行き詰まっている? 日本の大学生の就職活動 (大学プロデューサーズ・ノート 【早稲田塾】)
- ▽ キャンパスから学生の姿が消える異様:日経ビジネスオンライン
ブックマークコメントでは、「うまい広報活動」「こういう広告(?)もあるんだなぁと感心」など、ネガティブな状況を逆手に取ってみせたキヤノン広報の手腕を褒める声が多いようです。また、やはり現在の新卒採用のあり方に疑問を持っているユーザーも多いようで、「勇気あるなー」「このスケジュールが一般的になることを祈る」など、キヤノンMJの動きを応援する声も上がっていました。