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ネット上で疑問の声続々「キムワイプ卓球」って?協会を直撃してみた


■キムワイプ卓球って?

事の発端は、今年2月からはてなブックマークに出現したこちらの公式サイト。

http://www.iktta.org/jp/

ふとのぞいてみると、そこには「国際キムワイプ卓球協会」という団体の公式サイトと、サーブの様子を撮影した動画がありました。

http://www.youtube.com/watch?v=8Q3QjdBCLzc

サイトを見てわかったのは、「キムワイプ」というアイテムを使って卓球をする団体、ということ。Twitterアカウントもあるようですが、詳細はまったくわかりません。はてなブックマークのコメント欄でも、「なんだこれw ネタにしてもマジすぎ」「なにこれw」など、疑問の声が続々と寄せられていたため、気になったはてなブックマークニュース編集部は、団体に直接問い合わせてみました。

■キムワイプ卓球とは何なのか?協会に問い合わせてみた

――国際キムワイプ卓球協会の発足のきっかけ・動機を教えてください

“キムワイプで卓球をする”という斬新なスポーツを知り、これを広めたいと思いKTTAを設立しました。実際面白半分ネタ半分で始めたわけですが予想以上に多くの方々に知っていただいてうれしくまた驚いております。


――主な活動内容は?
“キムワイプ卓球のルール制定や大会開催等一切の管理、およびそれを通じてサイエンティストの交流を促進すること”を目標に、活動を開始しました。
現在は専らルール制定と広報活動に力を入れております。


――現在の会員数は?
8月25日現在、3名の役員を入れますと36名になります。少ないと言えば少ないのですが、KTTAの支出はすべて役員個人個人が負担しており、登録作業にはコストがかかるのであまり一気に増えるのも困ると言えば困るのです。
しかしながらキムワイプ卓球の潜在的愛好者はかなりいらっしゃると推定しております。尤も(もっとも)、キムワイプ卓球を広めるのが目的で、KTTAの会員を増やすのが目的ではありませんが。


――試合などは開催されていますか?
公式大会を開催したことはありません。確かに正規ルールに基づいた公式大会をやってみたいという思いはありますが、キムワイプ卓球の本質は"サイエンティストの息抜き"であり、"楽しむこと"が第一のサイエンティフィックスポーツなのです。故に大会を開催することにこだわりをもっているわけではありません。


――そもそもなぜ「キムワイプ」なんでしょう?
大学・企業などの研究施設から高校の理科室まで自然科学っぽい場所には大抵キムワイプが置かれているからです。研究室にあるもので気軽にできる息抜き、というのがキムワイプ卓球の魅力の1つですから。


――「キムワイプ」を日常的に使用していますか?
実験器具を拭くのによく使っていました。鼻なんかかめたもんじゃありません。ですがね、欧米の本家キムワイプ(我々はキムテックと呼んでいますが)だと摩擦係数が小さくて意外とかめるんです。コストパフォーマンスは最悪ですけれど。


――なぜ、「キムワイプ」で卓球を始めたんですか?
実はキムワイプ卓球の考案者は我々ではなく、別にいらっしゃるのです。ですから、どのような形でキムワイプ卓球が生まれたのか当方ではよく分かっていません。


――「キムワイプ卓球」のルールを教えてください
設立2周年を目前にしながらも、未だ制定中の段階です。卓球と違ってあまりにも複雑すぎるために制定に時間がかかっています。キムワイプ卓球の性質上、卓球台とラケット、ピンポン玉、という構図は成り立ちません。実験台を用いるわけですが、当然机上に様々なものが乗っているわけです。また流し台付き、ガス栓付きなどバリエーションも多く、一律にルールを作るのに苦労しています。場所を選ばずに楽しめるという基本コンセプトを守りつつ、目下検討中です。


――キムワイプ卓球を行う上でのポイントとは?
実際にプレーヤーの方に少し尋ねてみました。というのも、代表である私はあまりキムワイプ卓球をやっていないんですよね(笑)
「エッジを狙いすぎない」「キムワイプを大切に扱うこと」「力まずに返すことだけを意識すること」「あきらめないこと」
最初は慣れるのに苦労するかもしれません。卓球とは似て非なるものですから。因みにキムワイプ卓球は研究に集中しすぎてストレスがたまったり体がなまったりしたときに最適です。外に出ていく必要すらありませんから。


――キムワイプ卓球を行う上で困ることがあれば教えてください
キムワイプを含め実験器具などを損壊する恐れがあります。そのため禁止している研究室や学校もあると思います。それから、ボールがよく行方不明になります。これは致命的。


――今後の活動計画について教えてください
キムタオルカーリング協会の設立(大ウソ)、ではなく、広報活動に専念したいと思います。多くの方から"ネタですよね"と言われることがしばしばありますが(実際ネタですのでこれは否定いたしません)、ウェブサイト等をご覧になられて、"キムワイプで卓球をする"というものを知っていただき、笑ってもらえるというだけで当協会の目的は達成していると言っていいでしょう。
あとは"国際"協会らしく英語ページの充実、その他の言語版の制作に着手してまいりたいと思っております。


また、担当者の方から送られてきたメールには、以下のような注意書きも併記されていました。

当協会は、"キムワイプで卓球をする"という行為の振興を目的とした非営利任意団体であり、また"キムワイプ"自体を製造したり販売したりしているわけではありません。
キムワイプ, Kimwipes はKimberly-Clark World Wide社( KCWW)の登録商標です。
当協会は、Kimberly-Clark社ならびにその関連会社とは一切関係がありません。

上記のように、キムワイプの製造元とは一切関係がないとのことです。

取材の結果、壮大な「ネタ」であることが判明しましたが、手の込んだサイトとプロモーションに編集部も感心。よければ、みなさんも「キムワイプ卓球」の今後に注目してみてください。


文: タニグチナオミ

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