先週は休日のためお休みをいただきましたが、まだまだ続きます、はてなブックマークニュースの新刊ピックアップ。今回は、2010年10月27日から11月9日までの2週間で出版された新刊の中から、注目を集めている書籍を3冊紹介します。働くことや生きることに関する先人の金言集から、職場での学びを科学する学術書、Facebookをビジネスに活用するための解説書まで。さっそく見ていきましょう。
■ 波乱の生涯を生きた先人に学ぶ 『なぜ、はたらくのか―94歳・女性理容師の遺言』
- 作者:加藤 寿賀
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2010/10/27
- メディア: 単行本
関東大震災、第二次世界大戦中の東京大空襲を生き延び、1953年から新橋のガード下で理容店を営んだ加藤寿賀さん。家族を亡くしてもなお、「待ってくれる人がいるから」と94歳までハサミを握り続けました。そんな著者の言葉をまとめた本書には、ビートたけしさんが「うるさいバァさんの説教がたまに聞きたくなるんだよね」とメッセージを寄せています。また、人気ブログ「404 Blog Not Found」の小飼弾さんも、床屋に通う頻度に例えて「たまには説教もいいもんだ」と評しています。
▽ 404 Blog Not Found:たまには説教もいいものだ - 書評 - なぜ、はたらくのか
時に、先人に叱咤激励されながら、仕事や働くことについて考え直してみるのもよさそうですね。
■ 硬派で高価な本がなぜ? 『職場学習論―仕事の学びを科学する』
- 作者:中原 淳
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 2010/11/05
- メディア: 単行本
硬派な雰囲気で、しかも安価とは言えない東京大学出版から出版された本書がなぜブックマークを集めているのでしょう。ブックマークのコメントに寄せられたURLによると、『あたらしい戦略の教科書』や『はじめての課長の教科書』の著者で、人事戦略のスペシャリストである酒井穣さんがメールマガジンで紹介したことが一因のようです。
▽ http://archive.mag2.com/0001127971/20101105020000000.html
実は本書を読み始めたころ、僕は正直、強い「嫉妬」を感じました。同じ人材育成業界にあって、たまに一緒に飲んだりもしているのに、自分が気づかなかった視点を、こうもたくさん1冊の本に盛り込めるものかと。しかも、データから事実をすくいあげるという、学者らしい地道な方法で。
雰囲気に圧倒されて敬遠してしまうのは、もったいないかもしれません。ページ数は200ページと小ぶり。「業務改善に役立ちそうだ」と思った人は一読してみてはいかがでしょうか。
■ ついに日本本格上陸? 『Facebookをビジネスに使う本』
- 作者:熊坂 仁美
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/11/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
世界最大のソーシャルネットワーキングサービス「Facebook」。日本でも、2010年秋に入って、突如インターネット界隈で盛り上がりを見せました。Facebookの使い方に関する書籍が出始める中、本書は、ファンページの解説や運営の仕方を中心にFacebookを「ビジネスで使う」という観点から解説しています。Amazonでは、ポジティブなレビューが多く寄せられているのも気になるところです(2010年11月10日現在)。
『なぜ、はたらくのか』、『職場学習論』、『Facebookをビジネスに使う本』の3冊を紹介しました。次回の新刊ピックアップもどうぞお楽しみに!
The photo is by "chefranden".