東北地方太平洋沖地震の影響で、福島第一原子力発電所で放射能漏れ事故が発生しました。TVや新聞、インターネットなどで、「放射線」や「被ばく」などの言葉に触れる機会が多くなりました。放射性物質による被ばくを最小限に抑えるための知識や、除染の方法、放射線に関する情報をまとめたサイトを紹介します。
※福島第一原子力発電所の事故の影響で、以下のサイトにつながりにくい場合があります
■ 被ばくを最小限に抑えるための知識
人体が放射線にさらされることを「被ばく」と言います。放射線医学総合研究所では、今回の事故を受けて、放射能や被ばくに関する基礎知識を公開しています。
▽ 東北地方太平洋沖地震に伴い発生した原子力発電所被害に関する放射能分野の基礎知識
原子力発電所の周辺住民が気をつけることや避難の際の注意事項、被ばくした際の人体への影響などがまとめられています。放射性物質を体内に吸い込まないために、濡らしたタオルや木綿のハンカチで口や鼻を保護する、帽子をかぶるなど、肌の露出を避けます。
毎日新聞の記事には、被ばくに関するQ&Aが記されています。屋内退避指示が出た場合は、窓をしっかり閉め、エアコンや換気扇などの使用を止めます。空気中に高濃度の放射性物質が含まれる地域では、雨に濡れないよう気をつけます。
■ 一般的な除染の方法とは
身体などに付着した放射性物質を除去したり減少させたりすることを「除染」と言います。放射性物質による汚染があった場合、どのような対策が必要なのでしょうか。
▽ 一般的な除染の方法(水が利用できる方へ)
▽ 一般的な除染の方法(水が利用できない方へ)
放射線医学総合研究所では、被ばくを心配している人に向けて、一般的な除染の方法を案内しています。方法は以下の通りです。
1.洋服、靴を脱いでビニール袋に入れる
2.布やウェットティッシュなどで拭きとる。拭きとった布などはビニール袋に入れて捨てる
3.髪をシャンプーで洗う。顔、体、耳の中、爪の間も洗う
4.洋服は洗濯する。気になる場合は捨てる
汚染があった場合も、上記の処置でかなりの放射性物質を洗い落とすことができるそうです。水が利用できない人は、1と2だけ実行しましょう。
■ 「消毒液の飲用」を厚生労働省が注意
▽ 厚生労働省:ヨウ素を含む消毒液などを飲んではいけません
▽ ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません-インターネット等に流れている根拠のない情報に注意-(PDF)
インターネット上などで、被ばくの予防や治療にヨウ素を含む消毒剤の飲用が効くといううわさが流れています。厚生労働省はこれを“根拠のない情報”として、飲んではいけないと呼びかけています。放射性ヨウ素が大量に体内に入った場合、医師が内服薬の「安定ヨウ素剤」を処方する場合があります。消毒剤やうがい薬などの市販品にも「ヨウ素」は含まれていますが、含有量が少ないため抑制効果がないそうです。
■ 放射線・被ばくについて知るには
放射線や放射能、被ばくについてもっと詳しく知りたい方は、以下のサイトを参考にしてみてください。
▽ 放射線医学総合研究所
放射線総合医学研究所のサイトでは今回の事故を受け、放射線や被ばくに関する情報・対策を随時更新しています。
▽ 放射線と人体 : 高等学校:あとみん-原子力・エネルギー教育支援情報提供サイト-
日本原子力文化振興財団が運営するサイト「あとみん」では、教職員や児童生徒向けに、原子力やエネルギー、放射線などの情報がまとめられています。高校向けのコンテンツ「放射線と人体」では、放射線が人体に与える影響などを分かりやすく記しています。
▽ 東大病院放射線治療チーム(team_nakagawa)onTwitter
今回の事故を受けて、東京大学医学部附属病院の放射線治療チームがTwitterアカウントを開設しています。医師や専門家が医学的知識のもと、具体的な対策や報道されている数値に関する解説などを提供しています。