ウサギは1羽、タンスは1さお――ものの数え方には「何でそんなふうに数えるの?」と疑問に思うものがあります。今日は、“ちょっと変わったものの数え方”の由来に迫ってみます。
■不思議な数え方いろいろ
魚や動物など、生き物の数え方には不思議なものが多いようです。
<尾? 匹? 魚の数え方 >
▽ http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/unchiku/052.html
魚の数え方には、「尾」「匹」「本」などさまざまなパターンが存在します。上記のエントリーによれば、これらの数え方は“商取引上の慣用”として使われていることが多く、特に決まりはないそう。一般的に尾ひれのついている小さめの魚は尾や匹、マグロやカツオなど大きめの魚は本で数えることが多いようです。その他に変わった例としては、コイを「折(おり)」、シラウオやサヨリなどの繊細な魚を「条(すじ)」と数えることもあります。
同じ海の生き物では、イカやカニの数え方もユニークです。海で生きているものは「匹」で、商品として市場に出回っているものは「杯」で数えます。
<タンスを“さお”で数える理由>
家具のタンスは、1さお、2さおと数えます。この数え方は、江戸時代にタンスにさおを通して運ぶ習慣があったことに由来するそう。当時のタンスには、さおを通すための専用の金具が付いていました。
<匹と頭の使い分けは?>
▽ 目からウロコ!数え方のナゾ:ジャパンナレッジ 第12回 「匹」と「頭」の意外なルーツ
動物を数える単位の「匹」と「頭」には、それぞれ異なったルーツがあります。匹はもともと家畜の馬を数える単位で、馬の後ろ姿のイメージと、綱でつないで“引く”という意味から生まれたそう。一方、頭は英語の牛の数え方「head」に由来するもので、やがて牛以外の大型動物にも使われるようになったと言われています。頭で数えられない小型の動物については、かつて馬を数える単位だった匹が使われるようになりました。
<ウサギはなぜ羽と数える?>
▽ 目からウロコ!数え方のナゾ:ジャパンナレッジ 第2回 ウサギは鳥の一種?名前と数え方の由来の謎(なぞ)
ウサギを羽で数える理由には諸説あり、「獣を口にできない僧侶が、二本足で立つウサギを鳥類だとこじつけて食べたため」「ウサギの耳が鳥の羽に見えるため」といった説が有力と言われてます。ただし最近は羽で数えるケースは少なくなり、他の小動物と同様に匹で数えることが多くなっているようです。
<知ってる? “神様”の数え方>
▽ http://www.cs.r-ts.co.jp/rcc/breaktime/untiku/091104.html
日本の神様を数える際は、「柱」を使うのをご存じですか? “木には神様が宿る”という古来からの言い伝えがその由来で、神像や遺骨を数える際にも使われます。
■数え方を調べてみよう
最後に、「これはどう数えるの?」と思ったときに便利なエントリーをご紹介します。
▽ 【みんなの知識 ちょっと便利帳】ものの数え方・助数詞【あ行−あ】
上記のエントリーでは、あいうえお順にさまざまなものの数え方を調べることができます。風呂桶(おけ)、チョウ、生け花など、ユニークな数え方をするものはまだまだたくさんあります。キーワード検索も可能です。
数え方の由来を調べるだけで、そのものにまつわる意外なエピソードが見えてきますね。
Title Photo by jpockele