独立行政法人森林総合研究所は2月7日(火)、絶滅したと思われていた海鳥の一種「ブライアンズ・シアウォーター」を、小笠原諸島で発見したと発表しました。絶滅を疑われていた鳥類が再発見された例は、約60年前のアホウドリ以来です。
▽ 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所/絶滅したと思われていたミズナギドリの希少種を小笠原諸島で再発見 ―世界自然遺産に生き残っていた希少鳥類―
▽ 絶滅したと思われていたミズナギドリの希少種を小笠原諸島で再発見 -世界自然遺産に生き残っていた希少鳥類-(PDF)
ブライアンズ・シアウォーターは、ミズナギドリという海鳥の一種です。ハワイ諸島北西に位置するミッドウェー諸島で存在が確認されていましたが、これまで世界で2例しか観測記録がなく、絶滅を疑われていました。
小笠原諸島では、以前から種類不明のミズナギドリが確認されていました。同研究所が回収した標本のDNAを分析したところ、ブライアンズ・シアウォーターと同種であることが明らかになったそうです。同研究所は発見場所にちなんで「オガサワラヒメミズナギドリ」という和名を提案しています。
小笠原諸島は2011年6月に世界遺産リストに登録された、日本で4件目の世界自然遺産です。世界遺産に登録された際は固有種の多さが評価されましたが、小笠原諸島では外来種の侵入を課題として抱えています。今回見つかったミズナギドリの標本の一部も、外来種であるクマネズミに捕食されて死んだものと考えられるそうです。同研究所は、外来ネズミ類などの駆除事業を今後も推進するべきだと主張しています。