国公立大学の2次試験日に毎年登場する京都大学の「折田先生像」が、2012年も出現しました。今年の折田先生像は、地上デジタルテレビ放送の普及推進キャラクター「地デジカ」でした。Twitterでは一時“中止”のうわさが飛び交った設置の様子を、早朝の京都大学キャンパス(吉田南構内)で見てきました。
■ 早朝に行われた設営
編集部が京都大学に到着した2月25日の午前4時20分ごろ、関係者と思われる団体が台座を設置していました。周囲には20~30人ほどのギャラリーがおり、折田先生像の登場を待ち構えていました。ギャラリーに対しては、作業中の写真撮影を控えるよう呼び掛けられました。
午前4時25分ごろ台座が完成し、ブルーシートに覆われた折田先生像が運ばれてきました。ブルーシートがめくられ、地デジカが姿を現した瞬間、ギャラリーからは笑い声と拍手が起こりました。その後、折田先生像を台座に取り付け、看板を設置し、団体は撤収しました。関係者と思われる人物に声を掛けてみたものの、取材はNGとのことでした。
完成時の様子。多くのギャラリーがカメラや携帯電話で撮影していた。Twitterでつぶやく人の姿も
折田先生の横に立てられた看板には、以下のような文章が記されていました。
折田彦市先生は、地上デジタル放送推進大使として黄色いレオタードの普及に尽力し、京大に電波な学風を築くために多大な功績を残した人です。どうかお酒の飲み過ぎにはご注意ください。 チョナン・カン
設営を見守っていた京都大学の男子学生に話を聞いてみたところ、「去年のMr.CONTACは粒に細工していて凝っている印象でしたが、今年はストレートでわかりやすいと思います。看板に書かれている『京大に電波な学風を~』の一文が面白かったです」と答えてくれました。
■ 撤収、再開、再度撤収とトラブルが続いた2012年の設置
▽ 折田先生2012顕現! - Togetter
▽ https://twitter.com/KyodaiExpress/status/173073469930606592
Togetterでまとめられている“実況ツイート”によると、折田先生像の設置は2月24日午後11時40分ごろから始まったようです。しかし、設営は順調には進まず、台座の損傷や場所の移動、設営自体の中止などのうわさが流れました。午前0時55分には、京都大学の学生報道団体「京都大学EXPRESS(@KyodaiExpress)」のTwitter公式アカウントが、「先ほどスタッフの方にお話を伺ったところ、『安全上問題があるので、一旦撤収します』とのことでした」とツイートしました。その後、作業の再開と2回目の撤収を経て、午前3時26分頃に再び作業が開始されたとのことです。
■ お昼にもう一度見てきた
2月26日の正午ごろ、再び京都大学のキャンパスを訪れ、折田先生像をじっくり見てきました。
地デジカの左横には、ニコニコ動画のマスコットキャラクター「ニコニコテレビちゃん」がいました。角の間には、ダイハツの軽自動車「ムーヴコンテ」のCMに登場するキャラクター「カクカク・シカジカ」の姿も。
看板裏には、折田先生像と併せて毎年恒例となっているアイドル写真が。2012年は本仮屋ユイカさんでした。左上には、ポケットモンスターのキャラクター「マッギョ」のシールも貼られていました。
折田先生像は元々、京都大学の前身である第三高等学校の初代校長、折田彦市氏を讃えて製作された銅像です。京都大学のキャンパス内に設置されていましたが、学生による落書きやいたずらが相次ぎ、1994年には「折田彦市先生は第三高等学校の校長として京大の創設に尽力し、京大に自由の学風を築くために多大な功績を残した人です。どうかこの像を汚さないで下さい。 総合人間学部」と記された看板が設置されました。しかしその後もいたずらは続き、銅像は1997年に撤去。1998年からは、学生がハリボテで作ったオリジナルの折田先生像と、注意文をオマージュした看板が置かれるようになりました。
▽ 今年もやっぱり出現!京大名物「折田先生像」のナゾに迫る - はてなニュース
※記事の初出時、看板の文章で「折田彦一先生」と記載していましたが、正しくは「折田彦市先生」でした。読者からのご指摘により、2012年2月28日(火)午前11時49分に当該箇所を修正しました。ご指摘ありがとうございました。