エサを求めてごみ置き場にやってくる「カラス」に困った経験はありませんか?カラスは春から夏にかけて繁殖期を迎え、卵やヒナを守るために攻撃的になるといわれています。被害を防ぐために、家庭でできる“カラス対策”を紹介します。
■ カラスってどんな生き物?
日本の都会でよく見かけるカラスは「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」の2種類です。
▽ パンフレット「都会のカラス 〜その被害と私たちにできること〜」 || 野生鳥獣の保護及び管理[環境省]
▽ パンフレット「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」 || 野生鳥獣の保護及び管理[環境省]
両者は頭やくちばしの形、鳴き声などで見分けられます。
- ハシブトガラス:くちばしが太く、額が出っ張っている。澄んだ声で鳴く
- ハシボソガラス:くちばしが細く、額はなだらか。濁った声で鳴く
いずれも雑食で、木の実や小動物、昆虫、生ごみなどいろいろなものを食べます。2種類のカラスのうち、主に都会で増えているのはハシブトガラスで、本来の生息地である森林に似た都会の構造をうまく利用して暮らしています。繁殖期になると、つがいで樹木の中に巣を作ります。
下記のサイトでは「自動車を利用してクルミを割る」「レバー式の水道の蛇口を自分で開ける」といったカラスの知的行動の例や、エサの探し方、眠り方などの習性、カラスにまつわるさまざまな雑学を知ることができます。
■ カラスにごみを荒らされないために
カラスにとって、たくさんの生ごみが集まるごみ置き場は格好のエサ場です。出したごみを荒らされないために、どんな工夫ができるのでしょうか?
▽ カラス対策|品川区
▽ http://www.city.sakai.lg.jp/city/info/_kankei/karasu.html
カラスが特に好んで食べるのは「容器に付着したマヨネーズ」「袋に付いたポテトチップのカス」といった脂質の多いものです。優れた視覚を生かして、ごみの袋から好みのエサを見つけ出します。カラスがごみの袋に穴を開けて中身を散らかすのは、エサを選り好みしたり他の個体と奪い合ったりするためです。
これらのポイントを踏まえ、各自治体のサイトでは次のようなカラス対策を紹介しています。
- 生ごみを減らす
- カラスが好みそうなごみは、新聞紙に包むなどして外から見えないようにする
- ごみの袋の口をしっかり閉じる
- ふたが閉まる容器にごみを入れる
- ごみを放置する時間が長いほど荒らされやすくなるので、収集日や時間を守る
「CDなどを置いてカラス除けにする」という方法も知られていますが、カラスが仕掛けに慣れてしまい、効果が持続しない場合がほとんどです。また木の枝や針金、ハンガーなど、カラスの巣の材料になるようなものは屋外に放置しないようにしましょう。
東京のような大都市にいるカラスと、農地が広がる地域にいるカラスとでは、エサの種類や生活スタイルが異なります。富山県のサイトでは、農地でのカラス対策をまとめたマニュアルをPDF形式で公開しています。
▽ http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1709/kj00009522.html
カラスの習性を知ると、効果的な対策がわかります。家庭から出るごみを減らす方法については、はてなブックマークニュースの下記の記事をご覧ください。
▽ 買い物や料理のしかたを工夫しよう 家庭で今すぐできる“ごみの減らし方” - はてなニュース
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