大阪市天王寺区は2月4日、同区の事業に関するポスターのデザイン案などを作成する「広報デザイナー」の募集を発表しました。任期は4月1日から1年間の予定で、報酬は当初「なし」でした。これについて、はてなブックマークでは「デザイナーを何だと思っているのか」「私なら受けないけど、受ける人が居ればOKなんじゃない?」といったさまざまな意見が集まりました。同区は2月6日(水)に応募条件を「ボランティアでの協力」に変更しました。
▽ http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/tennoji/0000203439.html
同区は「デザインの力で、行政を変える!!」をキーワードに、当初は「広報デザイナー」を全国から募集していました。業務内容は、ポスターやチラシのデザイン案作成と、同区役所が作成するサイトのレイアウトなどに対するアドバイス。募集対象は、デザインに関する実務経験がある人や、美術学校や専門学校でデザインについて学んでいる学生としていました。
<はてなブックマークでは賛否両論>
同区は報酬に代わり、広報デザイナーを区のサイトや広報紙で紹介したり、作成したポスターなどに名前を記載したりするとしていました。
はてなブックマークのコメント欄では、同区が提示した“無報酬”について議論が活発化。「未経験者NGなら報酬なしはないんじゃないか?」「デザイン公募ならまだしも、デザイナーとして働かせてタダってどういうことよ」など、経験者を対象としているにも関わらず、無報酬であることに対する疑問が寄せられました。
一方で「無料でお願いって募集するのは自由だから別にそれはいいんじゃないの?」「これは普通にボランティア案件でしょ? 民生委員だって無報酬。自分の町をより良くしようとする人がいないか探すのがそんなに罪なのか」といった、同区の考えに理解を示す声もありました。
<天王寺区の水谷区長、Facebookで見解発表>
▽ 【デザイナー公募について】... | Facebook
これらの意見に対し、同区の水谷翔太区長は2月6日に、Facebookで「今回の公募では『プロ』として活動をされているデザイナーだけを対象にしているわけではありません」と募集の趣旨を説明。メインの対象は、作品発表の機会を十分に得られていないアマチュアを想定していたとのこと。デザイナーと行政の連携についてはアマチュアとプロの双方に意見を聞き、プロからも「協力したい」との意向を示した人がいたことから、あえてアマチュアに限定せず募集を実施したとしています。
<「ボランティア」の募集に変更>
▽ http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/tennoji/0000204704.html
水谷区長は2月6日午後2時ごろ、募集内容に対してプロのデザイナーをはじめとする多くの人から意見や指摘があったとして、サイトに「お詫び」を掲載しました。さらに、募集内容を再検討したとして、名称を「天王寺区デザインパートナー」に変更し、新たにボランティアの募集を発表。任期は就任時に改めて協議するとのことです。応募の条件は「美術学校またはデザイン専門学校等、またはデザインについての知識を学んでいる学生等」に変更されています。