電通は、2012年における日本の総広告費と、媒体・業種別の推定広告費をまとめた資料を2月21日に公開しました。総広告費は5兆8,913億円で、前年比は103.2%。東日本大震災からの反動増もあり、5年ぶりに前年実績を超えたとしています。テレビや新聞などのマスコミ4媒体広告費も増加しており、インターネット広告費は前年比107.7%と堅調しています。
▽ 2012年の日本の広告費は5兆 8,913億円、前年比103.2% ―総広告費は 5 年ぶりに増加、マスコミ四媒体広告費は前年超え、 衛星メディア関連が大幅増、インターネットは堅調― (PDF)
資料によると、2012年前半の総広告費は、復興需要などによる2011年後半からの回復傾向を受けて好調に。7月~8月に開催されたロンドンオリンピック以降は、個人消費の減退や円高などによる景気後退のあおりを受け、減少傾向に一転しました。しかし、通年での総広告費は5兆8,913億円と、前年比で103.2%の増加。マスコミ4媒体(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)の広告費は2兆7,796億円と震災前にあたる2010年の水準を上回り、広告出稿が活性化しました。
特に好調だったのはBS・CS放送などの衛星メディア関連広告費で、総広告費は1,013 億円(前年比113.7%)。ロンドンオリンピック中継でBS放送に注目が集まったことなどが影響したと見られており、3年連続で増加しています。
業種別では、21業種中16業種で増加しました。増加業種の中でも伸び率が大きかったのは「自動車・関連品」(前年比126.9%)と「情報・通信」(同110.5%)の2業種。自動車・関連品は軽自動車や2ボックスカーなどの増加、情報・通信はスマートフォンサービスやWebコンテンツなどの増加によるものと推測されます。
一方、前年に比べて広告費が減少したのは、「官公庁・団体」(前年比30.6%)、「案内・その他」(同80.2%)、「エネルギー・素材・機械」(同96.3%)、「趣味・スポーツ用品」(同98.1%)、「家電・AV機器」(同99.3%)の5業種。官公庁・団体については、震災後の大量出稿の反動減が大きいためと見られています。