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クラシック好きの上司がジャズを聴きたいと言いだして -【はてなの風景43】



( ・3・) クラシック好きの上司がジャズを聴きたいと言いだして

クラシック音楽をこよなく愛する上司(お気に入りはスクリャービン)は、娘さんが部活でサックスを吹き始めたのをきっかけに、ジャズに興味を持ちました。ジャズ・ギターをたしなむ匿名の投稿者は、休日にジャズのCDを持って上司の家を訪ねるよう依頼されます。夕方まで家には上司と猫(拾ってきた白猫のちーちゃん)しか居ないとのことで、文章は上司と投稿者の対話で進んでいきます。

上司は近現代の作曲家は一通り聴いているマニアという設定もあり、二人の会話は濃厚なものです。マイルス・デイビスの60年代半ばの音源をめぐり「ヒマラヤ山脈か。空気が薄いというか、調性の感覚が希薄だな。テーマの部分だけでも不思議なところに臨時記号のフラットがついている」「主音を軸にして、ひとつのフレーズごとに旋法を変えています。コードが『進行』するというよりは、コードが『変化』するといったほうが近いかもしれません」といった調子で、初心者には何がなんだか。

さらにジミー・ジュフリー、エリック・ドルフィー、 オーネット・コールマン……と紹介は続きます。この記事は、下の関連リンクから辿れますので、お時間のある方は読んでみて下さい。それでは、はてなブックマークのコメント欄から感想をご紹介します。


「いや待てタイトルに騙されてはいけない。このリストの中身はむっちゃ濃いぞ。どう見たって初心者お断りリスト。おすすめのおいしいランチを教えて、と頼まれて、イナゴ料理専門店を紹介するかのよう」

「おもしろい、そして、この二人間違いなくメンドウくさい(敬笑)」

「言ってることの意味が8割ほど分からないがすごい筆力だ」

「村上春樹好きなのかな?と思ったけど本人の可能性もないわけじゃないのか???」

「間違いないセレクトだと思うんだけど、タイトル通り近~現代音楽がある程度好きな人向けのものだから、知らない人がここから始めようとすると嗜好が合う可能性が低いのでは……」

「クラシックもジャズも門外漢だが、こんな会話できたら楽しいだろうな」

「文章がいい。ミルトン・バビットの名前をここでみるとは思わなかった」

「そういう設定なんだろうけど実在したらちょっとイヤな上司だなw」

「タイトルからは予想出来ないような秀逸なディスクガイド。ジャズに興味が無くてもこの解説を読めば聴きたくなる、かも」


とのことでした。


Title Photo by Sadie Hernandez

文: 新野漸

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