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心があるから体が動く 舞台「ハイキュー!!」第2弾、烏野“復活”への一歩を描く



ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」ポータルホームページ / キャストや公演チケット情報など

『ハイキュー!!』は、古舘春一さんがマンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で2012年から連載している、高校バレーボール部を題材にした作品。バレーボールに魅せられた主人公・日向翔陽が烏野高校に入学し、さまざまな仲間やライバルとの出会いを重ね、ボールをつないだ先に見える“頂の景色”を目指してコートを駆け巡る青春が描かれています。

烏野高校

同作を舞台化したハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」は、ネルケプランニングによる制作で2015年11月~12月に1作目を上演。原作やアニメの人気が過熱している中での舞台展開は大きな話題となりました。各地の劇場で連日満席になるなど注目を集めた同公演は、千秋楽の終演後に“速攻再演”を告知。1作目に新たな演出を加え、2016年4月~5月にハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“頂の景色”として再演されました。

初演・再演と続いて、いよいよ開幕した新作公演。物語は、1作目でも触れられていた東京の古豪・音駒高校との練習試合からスタートします。烏野にとって因縁のライバルである同校との試合は「ゴミ捨て場の決戦」とも呼ばれる伝統の一戦。“つなぐ”を軸にしたバレーを展開する音駒の強さに、烏野は苦戦します。その戦いの先で日向たちを待ち構えるのは、インターハイ県予選。たった1度負けただけで予選敗退が決まってしまうという緊張感の漂う大勝負に、烏野はチームの“復活”を懸けて挑みます。

(中央左)音駒高校 黒尾鉄朗役・近藤頌利さん

同作の持ち味といえば、舞台のタイトルにもなっている鮮やかなプロジェクションマッピング演出の数々。映像に頼るというわけではなく、躍動するキャストたちの動きとシンクロするような形でシーンの面白さを引き出しています。

「今回も、舞台でしかできないいろいろな演出を入れました。『舞台って面白いな』と思ってもらえるとうれしいです」と語るのは、初演から同作の演出を手掛けているウォーリー木下さん。映像や照明を巧みに組み合わせることで、『ハイキュー!!』が持つ手に汗を握るような熱量や、ダイナミックな試合展開を舞台上で実現させました。ウォーリーさんは「『ハイキュー!!』の魅力は『部活』。面白さや熱さ、熱くなれなかったことも含めて描かれています。日本人なら誰もが一度は横で見ていたり、当事者になったりしたようなことが物語になっているので、共感していただける舞台になっているのではないかと思います」と続けます。

(左から)音駒高校 孤爪研磨役・永田崇人さん/烏野高校 日向翔陽役・須賀健太さん

日向を演じるのは、幼いころからドラマや映画を中心に活躍してきた須賀健太さん。1作目に続いての出演で、総勢29人をまとめる座長も務めています。今作への意気込みを聞かれると「前作の囲み取材で言わせていただいたのが『今、人生で一番動いている』という言葉でした。今回もそれを更新して、今、人生で一番舞台上で動いています」とまっすぐに語る須賀さん。「それくらい汗をかくからこそ、その汗が芝居につながり、熱量が上がっていく。原作の持っている力をそのまま舞台上で体現できていると思います」と続けます。

そんな日向の相方的な存在である天才プレイヤー・影山飛雄を演じるのは、同じく1作目から続いての出演となった木村達成さん。「今作の『烏野復活』に参加して、“演劇ハイキュー!!”がより自分の生活の一部になってきています。影山飛雄という役と長い期間向き合ってきたので、烏野として戦えるこれからの1公演ずつを大切にしていきたい」と力強く述べました。

烏野高校 影山飛雄役・木村達成さん

1作目が新生烏野の“夜明け前”を描いた作品であるならば、まさに“強豪復活”に向けて再び飛び立とうとしている新チームの一歩目を描いたように映る今作。日向と影山を演じる2人の息の合い方も見事で、じわじわとコンビとしての形が出来上がりつつある点も、原作の流れとシンクロするように見えます。

2人の成長ぶりについて、ウォーリーさんは「この舞台は、登場人物同士の掛け合いといった“息”が特に大事。2人は誰よりも呼吸を合わせるのが早かった。頭と体の回転の速さがとても良くなっています」とコメント。「サーカス団に入れても大丈夫なんじゃないかと思ったくらい」と加えると、周囲のキャストから笑顔がこぼれます。

東京、岩手、福岡、大阪の4都市で全36公演を上演する今作。特に原作者・古舘さんの出身地でもある岩手は、作中にも風景のモデルとしてたびたび登場するという、ファンにとって大きな意味を持つ場所です。ウォーリーさんも「(岩手のように)『ハイキュー!!』のコアなファンがいらっしゃるところにも行ける。舞台の面白さは体験してみないと分からない。逆に、体験していただければ面白さは伝わると思っています」と呼び掛けます。

さまざまな手法で表現される試合の組み立て方も見どころの一つ

また1ヶ月以上に及ぶ長丁場の“戦い”について、須賀さんは「公演数が多いということは、それだけ楽しみにしてくださっている方が多いということ。1回1回を全力で挑まなきゃいけないなと気が引き締まります。演劇を見る機会が少ない方のところに行くことで、見ていただける機会ができるので、すごくうれしいです」とコメント。体力維持のコツについて聞かれると「ここまでくると気力の部分がすごく大きくて。ちょっと手を抜こうかなと思っても、日向として舞台上に立っているときはそんなことは言っていられない。心があるから体が動く、という感じで頑張れています」と語ります。

そんな須賀さんを「身長はちっちゃいですけど、背中はすごくでかい。烏野は特に健太を信頼しているし、新しく入ってきたメンバーもそうです。ばっちりだと思います、座長として」とねぎらう木村さん。須賀さんはすかさず「最初の部分はカットでお願いします」と取材陣に訴えかけます。作中ではとてつもないコンビプレーを繰り出す“変人同士”として描かれる2人。舞台上でも息の合ったコンビらしさを見せ、烏野としてもカンパニーとしても支え合いながら、千秋楽の12月4日(日)まで作品の熱を押し上げていきます。

千秋楽公演は、全国の劇場でリアルタイムのライブビューイング上映を実施します。詳細は特設ページをどうぞ。

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝飛翔〞ライブビューイング

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“烏野、復活!”

ハイステ

(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会

<公演概要>
  • 東京:AiiA 2.5 Theater Tokyo
    • 2016年10月28日(金)~11月6日(日)
  • 岩手:田園ホール 矢巾町文化会館
    • 2016年11月12日(土)~11月13日(日)
  • 福岡:キャナルシティ劇場
    • 2016年11月17日(木)~11月20日(日)
  • 大阪:梅田芸術劇場 メインホール
    • 2016年11月24日(木)~11月27日(日)
  • 東京凱旋:AiiA 2.5 Theater Tokyo
    • 2016年12月1日(木)~12月4日(日)
<キャスト>
  • 烏野高校
    • 日向翔陽:須賀健太
    • 影山飛雄:木村達成
    • 月島 蛍:小坂涼太郎
    • 山口 忠:三浦海里
    • 田中龍之介:塩田康平
    • 西谷 夕:橋本祥平
    • 縁下 力:川原一馬
    • 澤村大地:秋沢健太朗
    • 菅原孝支:猪野広樹
    • 東峰 旭:冨森ジャスティン
  • 音駒高校
    • 孤爪研磨:永田崇人
    • 黒尾鉄朗:近藤頌利
    • 海 信行:武子直輝
    • 夜久衛輔:後藤健流
    • 山本猛虎:川隅美慎
    • 福永招平:梶原 颯
    • 犬岡 走:中村太郎
  • 伊達工業高校
    • 青根高伸:新井 將
    • 二口堅治:木村 敦
    • 茂庭 要:釣本 南
    • 鎌先靖志:橋本全一
    • 笹谷武仁:松本祐一
    • 作並浩輔:廣野凌大
  • 常波高校
    • 池尻隼人:松田 裕
  • 青葉城西高校
    • 及川 徹:遊馬晃祐
    • 岩泉 一:小波津亜廉
  • 烏野高校 OB
    • 嶋田 誠:山口賢人
  • 烏野高校 顧問・コーチ
    • 武田一鉄:内田 滋
    • 烏養繋心:林 剛史
<スタッフ>

原作:古舘春一「ハイキュー!!」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載中)
演出:ウォーリー木下
脚本:中屋敷法仁・ウォーリー木下
音楽:和田俊輔
制作:ネルケプランニング
監修:集英社(「週刊少年ジャンプ」編集部)
協力:一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会/モルテン/ミカサ
主催:ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会(TBS/ネルケプランニング/東宝/集英社/キューブ)
Twitter:@engeki_haikyu

文: あおきめぐみ

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