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“Twitterを知らない人にも届けたい”――Togetter開発者 @yositosi が狙うもの


■ 海外版をリリース!Yahoo! トップには載ったけれど……

はてな Togetterの海外版「Chirpstory」が12月8日にリリースされました。リリースして数日が経ちましたが、ユーザーの反応はいかがでしょうか?(※編集部注:このインタビューは12月10日に株式会社はてな京都本社にて行いました)

@yositosi ありがたいことにたくさん取り上げていただいて、Yahoo!のトップページにも載ったんですが、海外からの反応がほとんどないんです……。日本人はたくさん見に来てくれているようなんですが。


Chirpstoryのトップ。国内版よりもメディア色を強化している

海外版の構想は、Togetterの国内リリース時からありました。もともと、利用者の方から「海外でも出さないの?」といった要望が多くあって。でも当時は職も持ってましたし、国内版の開発だけでいっぱいいっぱいだったんです。半年前に独立して会社化したので、このタイミングで動き始めなきゃと思って開発を温めていました。

あと、海外はまず手を売っておかないといけないという状況があったんです。最近、「curated.by」や「Storify」といった似たようなサイトがいくつか出てきているんですよ。どれも良くできていて、早めにこちらも手を打っておかないといけないだろうと。海外だから特別なことを考えているというより、Togetterのかたちのままスケールを大きくしただけで、やりたいことは同じなんです。

海外版は少し気長に展開するつもりで、その間しばらくは日本語版に力を傾けるつもりです。海外版で良かった機能を日本語版にマージしないといけないとも思っていますし。今後はまず規模の小さい海外版で先に機能をリリースして、その反応を見て国内版にも実装するようになるかもしれません。


ChirpstoryはITベンチャー経営者が集まるIVS 2010 Fallでリリースされた

■ 「左から右」の操作インターフェースはエンジニア思考から生まれた

はてな Togetterといえば、直感的な編集操作インターフェースが特徴的です。どのようにして思いつかれたのでしょうか?

@yositosi Togetterで採用している、まとめたいコンテンツを左から右にドラッグ&ドロップする操作インターフェースは、エンジニア思考から生まれました。めんどくさいことをしたくないがために、めんどくさい方法を取るという。

▼ 編集部注:プログラマの三大美徳「怠慢」
小飼弾 404 Title Not Found - #1 プログラマーの三大美徳その1「怠慢」:ITpro


Togetterの編集画面。マウスによる直感的な操作が特徴的

Togetterの始まりは、社内用のプレゼン資料の作成ツールだったんです。資料作成のために、Twitterのツイートをいくつか取り出して資料にしたかった。普通に考えたらツイートを検索してコピーして、PowerPointに貼り付けていくと思うんですが、これがすごくめんどくさかった!まとめたいツイートを選んで、ぽんぽんぽんと投げたらいい感じのデザインのスライドショーになる。そんなプレゼンテーションをしたかったんです。そのためだけのツールを頑張って作りました。結果的に楽にはなったんですが、スライド1つ作るためにかける工数としては、リソースの配分は逆だった気がします(笑)。

そのツールを使って実際にプレゼンをしたんです。すると会場の反応が、プレゼンの内容よりもそのツールに集まって。それで「これはいけるんじゃないか」と思って、その場で「じゃあサービスにします」と言って、Togetterが生まれました。その頃はここまで大きなサイトになるなんて思ってなかったです。

今後、国内版ではまた違う編集インターフェースを提案できたらと思っています。ドラッグ&ドロップではなく、またちょっと違った……。こちらはご期待くださいとしか言えないですね。


京都国際マンガミュージアムで開催されていた「ぜんぶ!やなせたかし!」展で@yositosi さんが買ったポストカード。やなせさんの表現の幅の広さについて「とにかくすごいんですよ!」と興奮気味

■ “ちょっとした意見”が可視化されるメディアにしていきたい

はてな これまで個人による運営でしたが、2010年6月に株式会社化されました。海外版、国内版も含めてTogetterの今後の展望について教えてください。

@yositosi 国内版の利用者は順調に伸びてきています。PC版で月間200万UU(ユニークユーザー)、900万PV(ページビュー)。流入元で多いのはTwitterで、そのあとにGoogleの検索、はてなブックマークと続きます。はてなブックマークには本当にお世話になっていて、多いときは人気エントリーの「総合」カテゴリーに5~6個ぐらい載っていることもあります。


Togetterの開発について楽しそうに話す @yositosi さん

Togetterのことを、個人用のログやアーカイブ目的のツールととらえている方も多いと思いますが、個人的には、新聞やテレビ、ニュースサイト、ブログに続く新しいメディアなんじゃないかと考えています。

日々、Togetterには本当にたくさんの話題が集まってきています。これは個別のツイートがただ集まっているというよりも、みんなの“意見”や“想い”といったものが、増幅して可視化されているのだと思います。たとえば、誰か1人のツイートだけを見ているとその個人の意見ですが、Togetterで同じ話題を1つにまとめると、「同じこと考えている人って意外と多いんだ、テレビで言っていることと逆じゃないか」といったことが浮き彫りになります。そうしたTogetterに集まる話題を適切なかたちに整えて、「日本人は今こういうことを考えているんですよ」「政治家が言っていることと逆の意見もあるんですよ」といった声を世の中に届けていきたいと考えています。特にTogetterには若い人の声が集まっているので、Twitterをやらない、ネットをあまりやらない世代の方まで届けられるといいなと思います。

そのためには、Togetterの話題をひとつの記事として整理して、ネットの声を欲しいという企業やメディアに提供できる編集者的な役割の人が必要だと考えています。Twitterのまとめだけ渡しても、その奥まで理解できる人はまだまだ少ないと思うので。株式会社化したので、そういった新聞などのメディアとのタイアップも取り組んでいけたらと思います。もしご興味のある方がいれば @yositosi までご連絡いただければと(笑)。

将来的には、Togetterが新しいメディアの一形態になるといいですね。そういう新しいメディアがそろそろ人類にあっていいんじゃないかと思うんです。

文: 山田聖裕

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