プロの校閲者は、小説をどのようにチェックしているのか? 実際に校閲が入った原稿を公開した作家・夜見野レイさんのブログエントリーが、はてなブックマークで注目を集めています。誤字脱字以外にも、表現が“正確”かどうか指摘する内容について、夜見野さんは1つずつ解説。隅々まで行きわたる校閲の数々に、「ストーリー展開を熟読した上でツッコミ入れている箇所が凄い」「すごいなあ、プロの仕事だなあ」などの感想が集まっています。
▽ プロの校正者は小説のどこをチェックしているか | 『天使の街』オフィシャル・サイト:ガールズ・ラブ&心霊学園ホラー
夜見野さんが校閲を依頼したのは、電子書籍として自費出版しているホラー小説「天使の街」シリーズの2作品です。ブログでは、夜見野さんが書き手として「興味深い」と感じた校閲を取り上げています。指摘の内容は、「材木」と「木材」や「効く」と「利く」といった漢字の使い方から、シーンの状況をくみ取った上での記述の違和感まで、さまざまです。
例えば「テーブルは輸入品のような」という表現。校閲者はここで「念のため…『輸入品』で安価な家具は多くありますが、ママでよろしいですか?」と指摘しています。これは、輸入品は高級であるという先入観による記述だったそうです。さらにバケモノを「倒した」という表現について、息の根を完全に止めていない場合は「撃退」ではないかとのこと。夜見野さんは「こういうのは、自分で何度読み返しても気づきません」と振り返っています。
細やかなチェックの内容に、はてなブックマークのコメント欄には「何故か俺が思わず頭下げたくなるような惚れ惚れする仕事っぷり。わかりやすいなあ」「普通に文章書く上でも、この校正者の視点はすごく為になる」「校正って漢字や文法だけじゃなく色んな知識が必要なんだね」などの反応が集まっています。
校閲を担当したのは、個人の依頼も受け付けている鴎来堂。夜見野さんは「作品としても商品としても完成度を高めたい」という思いから、依頼したそうです。エントリーでは、校閲を依頼する前にしておく準備についても触れています。