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おしゃべりで、マイペースで、アイドル 個性的な3匹の猫が暮らす京都の「ダイスカフェ」へ行く



DICE CAFE

3匹の猫は、阪急電鉄京都線・西院駅から徒歩約10分の住宅街にある「DICE CAFE(ダイスカフェ)」で暮らしています。オープンは2013年11月。3階建ての一軒家のうち1階をカフェスペースとして使用しています。

出迎えてくれたのは、オーナーの稲葉美樹さんと、美樹さんのお母さん。もともとカフェをオープンするつもりでこの家を建てました。最初は普段2階にいる猫をカフェに降ろすつもりはなく、猫が店内をのぞけるように窓をつけていただけだったそう。しかし猫に会いたいと言ってくれるお客さんが増え、猫たちも自分で降りてくるようになったので、自由に行き来できるようにしました。今では“招き猫”のような存在です。

最初に飼ったのは、シンガプーラのシンエモン(オス・4歳)。シンガプーラは“世界一小さな猫”として有名ですが、シンエモンはがっちりとした体つきです。背中をかいてもらうことが大好き。ニャーンと鳴いて「こっちにこい」と言わんばかりに歩き、美樹さんやお母さんがその背中をかきながら付いていきます。よくニャアニャアとしゃべるので、会話をしているような気分になるとのこと。怒ると文句を言うし、ルンバは勝手に動かす。思い通りにならないことがあれば、食器棚の食器をカチャカチャと揺らすことも。ですが「手がかかる分、すごくかわいいです。笑わせてくれます」と美樹さんは話します。

「飛ぶように跳ぶんです」と語るのはお母さん。ジャンプをするときに広げる両手が、翼のように見えるそうです。お母さんのことが大好きなシンエモンは、膝の上でくつろぐのが特にお気に入りなんだとか。「プライドが高くて、かしこい。何をするにもスマートです。人間だったら、きっとイケメンです」とお母さんは顔をほころばせます。

2番目にやってきたのは、スコティッシュフォールドのコロスケ(4歳・オス)。ホームセンターで一目惚れでした。生まれつき手足が弱くて、触ると少し怒ります。それ以外はとても静かでマイペース。でも、時々とても頑固になります。「自分のスペースを見つけると、何をされても絶対にそこから動きません」。

小さい時のコロスケ。目がクリクリでかわいい

そんなコロスケですが、実はお店に来るのが大好き。美樹さんたちがカフェへ降りるよりも早くドアの前へ移動し、ニャンニャンと鳴いて開けてほしいとおねだりします。朝は美樹さんとお母さんを独占できる特別な時間だと思っているのか、その時だけすごく甘えるそう。じっくり甘えん坊タイムを堪能した後は、クールなコロスケに戻ります。「お客さんには見せない、貴重な姿です」と美樹さん。氷が好きで、製氷機の音がすると「ちょうだい」と訴えかけます。

最後に迎えたのは、スコティッシュフォールドのモモノスケ(1歳・オス)。お店のアイドル的存在です。寂しがりで、1匹ぼっちに気が付くとお店に降りてくるほどだそう。おもちゃが置いてある場所の前に寝転がり、遊んでほしいと合図することもあります。少し先が折れたかわいらしい耳は、夏場になるとぴょんと立つとのこと。「だいたい6月くらいになると立ちます」。

コッペパンのようにふっくらした手

美樹さんやお母さんに合わせて、お店へ降りてくるというモモノスケ。自分はお店の看板猫だと自覚しているような雰囲気があるそうです。「上を向いた表情が特にかわいい。どんな表情でもかわいいですけどね」と語る美樹さん。モモノスケは、京都の猫を特集した雑誌『ねこ』2014年11月号(ネコ・パブリッシング)の表紙も飾りました。

お店にはおもちゃが用意されているので、お客さんも自由に猫たちと遊べます。「じゃらしの動かし方にはコツがいるんです」と、美樹さんがお手本を見せてくれました。リアルな虫や蝶をイメージして、時々止まったり、勢いをつけたり、緩急をつけるのがポイントです。モモノスケの目がきらきらと光ります。

コロスケはお菓子に付いてくるヒモやみかんのネットがお気に入り。マイペースな性格を表すように、寝そべりながらヒモに向かって手を伸ばします。

ナイスキャッチ

ソファの背もたれなど、不安定なところが好きなモモノスケ。カフェのドア付近にあるベンチで、足を伸ばしながらくつろぎます。このポーズがお気に入りなんだそうです。

モモノスケにとって、これが落ち着く姿勢なのかも? しっぽがゆらゆらと揺れます。

店内には、隠れ家のようなスペースやロフト、サンルームも

壁には、知り合いの画家さんに描いてもらったという猫たちの絵が飾られている

コロスケ、モモノスケは、先輩猫のシンエモンを見て育ちました。ある時、餌のお皿が空になっていると、シンエモンが美樹さんたちに「ごはんを入れて」と呼びに来たことがあったそう。ごはんを入れた後に再び戻ってみると、それを食べていたのはコロスケとモモノスケでした。面倒見のいいお兄ちゃんらしい一面も持つシンエモン。モモノスケが家に来たばかりのころも、自分の尻尾を猫じゃらしのように動かして遊んであげていたそうです。

たまにひっかかれることはあっても、シンエモンは健気に後輩たちの面倒を見ていました。「今となっては、体格はモモちゃんに超され、メンタルの強さはコロちゃんに超され。報われないですね」と美樹さんは苦笑いします。「本当はみんなから慕われたいんでしょうね」と語るのはお母さん。報われなかった思いが、美樹さんとお母さんに向いているのかもしれません。

猫のぬいぐるみを前に、背伸び

お母さんがお客さんの応対をするためにシンエモンを美樹さんに渡すと、ニャアニャアと鳴いて何かを訴えようとしています。どんなことを話しているんでしょうか?「動かしてほしくない!お母さんがよかった!」と代弁してくれた美樹さん。機嫌が直らなかったシンエモンは、美樹さんに連れられて2階へ移動していきました。むすっとした気持ちを表すように、首輪の鈴をシャンシャン鳴らしながら階段をのぼっていったそうです。残念……。

美樹さんの背中の上でものびのびとするモモノスケ。よくこうして乗せているそうです。ここで、機嫌が直ったシンエモンは再びカフェへ。早速お母さんに抱っこされます。

よくしゃべるシンエモンは、声帯があるのかと思うほどたくさんの声色を持っているとのこと。時々、3階からすごい声でニャア~と鳴くそうです。

「声にびっくりして、シンちゃん、って呼んだら、シャンシャンと首輪の鈴を鳴らして降りてくる。名前を呼んでほしいんでしょうね」。呼ばないと食器をカチャカチャと揺らし、気に入らないことがあれば物を落とす。構わざるを得ないそうです。かくれんぼも得意で、美樹さんたちが探している様子を察しては息をひそめているのだとか。探すのを諦めようと踵(きびす)を返すと、チャリン、と首輪の音がします。まるで知恵比べをしているかのよう。「3歳児くらいと一緒」と笑う美樹さん。餌は手で持って食べることもあります。シンエモンにはいつも驚かされてばかり。

美樹さんの背中の上で得意そうなモモノスケと、お母さんの腕の中でモモノスケをのぞきこむシンエモン。ソファでは、コロスケが相変わらずマイペースに寝そべっています。みんな個性が豊か。3匹の周りでは笑顔が絶えません。ぽっと心が温かくなるように、店内も穏やかな空気に包まれています。いつまでものびのびとくつろいでしまいたくなる、そんなダイスカフェに暮らす猫たちでした。

最後に動画で猫たちの様子をお届け。かわいらしい姿に、頬が緩みます。

京都の「ダイスカフェ」で暮らす3匹の猫たち - YouTube

<シンエモン・コロスケ・モモノスケがいるお店>

「DICE CAFE(ダイスカフェ)」
住所:京都市右京区西院久田町26-2
定休日:毎週水曜日
営業時間:午前11時~午後9時
Webサイト: DICE CAFE
Facebook:DICE CAFE | Facebook
(※2015年2月時点の情報です)


Photo&Movie by 文月聡
文: あおきめぐみ

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