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解読に数十万年かかるとされた暗号 NICT、九大、富士通研らのグループが解読



次世代暗号の解読で世界記録を達成 : 富士通
プレスリリース | 次世代暗号の解読で世界記録を達成 | NICT-情報通信研究機構
次世代暗号の解読で世界記録を達成 ペアリング暗号の安全性を確立し、次世代暗号の標準化に貢献(PDF)

「ペアリング暗号」とは、2001年に開発された次世代型の公開鍵暗号方式です。ペアリングと呼ばれる数式を用いることで、従来の暗号方式に比べさまざまな利便性の高い応用が可能です。一方で、ペアリング暗号は歴史が浅く、脆弱性の検討が十分ではなかったそうです。

はこだて未来大学とNICTは2010年に、204桁(676ビット長)のペアリング暗号を汎用コンピュータ18台を使って33日間で解読することに成功していました。今回の研究では、それよりも数百倍難しいとされていた278桁(923ビット長)のペアリング暗号を、汎用コンピュータ21台を使って148.2日間で解読しました。

プレスリリース | 公開鍵暗号の安全性の根拠となる計算で世界記録を更新 | NICT-情報通信研究機構

NICT、九州大学、富士通研究所は同研究の成果について、暗号解読の世界記録を達成しただけでなく、安全な暗号の選択や適切な鍵の交換時期を見積もるためのデータが得られたことも意味するとしています。今後も、安心して利用できる暗号の境界線がどこにあるのかについて研究を進めていくとのことです。

文: 古関崇義

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