環境省は2月1日(金)、汽水・淡水魚類の新たなレッドリスト(絶滅のおそれがある野生生物の種のリスト)を公表しました。見直し作業によって、新たにニホンウナギが絶滅危惧IB類に指定されています。
▽ 環境省_第4次レッドリストの公表について(汽水・淡水魚類)(お知らせ)
ニホンウナギはこれまで、生態に関して不明な部分が多いことから、情報不足のカテゴリに分類されていました。しかし、2012年5月、九州大学を中心とするグループの研究発表により一部の生態が明らかになったことから、漁獲量データをもとに改めて評価が行われました。
新たな評価の結果、ニホンウナギの3世代における成熟個体数の減少率は72~92%であると推定されました。環境省はこの数値をもとに、ニホンウナギを絶滅危惧IB類に指定しました。絶滅危惧IB類に分類されるのは、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種です。これは最も危険性が高い「絶滅危惧IA類」に次ぐカテゴリで、汽水・淡水魚類ではタナゴやイトウ、ムツゴロウなど54種が指定されています。
環境省版レッドリストは、生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を評価したリストです。リストは、おおむね5年ごとに見直されています。今回の見直しによって、汽水・淡水魚類で絶滅のおそれがある種は167種になりました。