国土交通省は3月5日(火)、車両扉の位置のずれやコスト低減などの課題に向け、新たなホームドアの試験を実施すると発表しました。具体的な開始日は調整中とのことです。
▽ 報道発表資料:車両扉位置の相違やコスト低減等の課題に対応可能な新たなホームドアの現地試験の実施について - 国土交通省
国土交通省によると近年、駅のホームで乗客の接触・転落事故が増加傾向にあります。特に、視覚障害者の2人に1人がホームからの転落経験があるそうです。このため、国土交通省では視覚障害者からの要望が高い駅、利用者数が多い駅から優先的に転落防止対策を進めてきました。2012年9月末の時点で、全国の約9,500駅のうち539駅にホームドアを設置済みです。しかし、扉位置のずれや多額の費用といった課題を抱えており、これらの課題に対応可能な新型ホームドアの実用化が求められています。
試験を行う駅は、西武新宿線の新所沢駅、東急田園都市線のつきみ野駅、相鉄いずみ野線の弥生台駅の3駅です。それぞれ異なる方式のホームドアが設置されます。
▽ 乗降位置可変型ホーム柵「どこでも柵」(PDF)
新所沢駅には神戸製鋼所と東京大学が共同で開発した、乗降位置が可変型のホーム柵「どこでも柵」が設置されます。列車に合わせて柵が動くことで、車両の長さや扉数の違いなどによる扉位置のずれに対応します。
▽ 田園都市線で新しいタイプのホームドアの試験運用を実施します(PDF)
▽ 昇降式ホームドアの実証試験を実施します(PDF)
つきみ野駅と弥生台駅には、ロープやバーが昇降するタイプのホームドアが設置されます。従来のホームドアに比べ、軽量化や設置コストの低減が図られています。昇降ロープ式を開発したのは日本信号、昇降バー式を開発したのは高見沢サイバネティックスです。
昇降ロープ式のホームドア(イメージ図)