東京都現代美術館(東京都江東区)が閉館するとの文章が、4月1日発売の雑誌「月刊ギャラリー」4月号に掲載され、Twitterを中心に衝撃が走りました。これに対し、美術館側は「全くの事実無根」と閉館を否定。同誌は「著者がエイプリルフールのユーモアとして書いた」と説明するとともに、誤解を招く内容だったと謝罪しています。
▽ http://www.mot-art-museum.jp/blog/staff/2013/04/post_198.html
▽ 月刊ギャラリー4月号「評論の眼」名古屋覚の記事に対するお詫び
東京都現代美術館が閉館するという情報は、美術ジャーナリスト・名古屋覚さんのコラム「評論の眼」に記載されました。その内容は、東京都が同館を閉館し、建物内に「クールトーキョーフォーラム」を新設するというもの。さらに、収蔵品を売却し、美術館を清算するために必要な条例案を年内にも都議会へ提出するという具体的な情報も提示されていました。
この情報は同誌の発売以降、Twitterやはてなブックマークで話題に。「え、マジで!?」「収蔵品どーすんだ?」といった驚きの声が集まりました。
▽ http://matome.naver.jp/odai/2136483541255707801
しかし美術館側は4月3日(水)、「当館に関する部分につきましては全くの事実無根であり、閉館の予定などはございません」と、サイト上でコラムの内容を否定。現在はメンテナンスで休館しているものの、4月6日(土)からは新たな展示を開始すると説明しました。同誌編集部への対応は「現在、強く抗議しているところでございます」としています。
同誌は4月4日(木)、サイト上に「おわび」を掲載。コラムの一部についてはエイプリルフールのユーモアとして書かれたと言及しながら、「一部の方々に予期せぬ誤解を招いてしまったことを反省し深くお詫び申し上げます」と謝罪しました。
コラムを執筆した名古屋さんは、文章中に同誌の発行日がエイプリルフールであるという“ヒント”を書いたと説明。「(エイプリルフールの)ジョークが分からない方々が美術館や文化行政や報道に携わっていたり、美術に関心を持っていたりするらしいこと、また中には実際の記事も読まずにツイッター等の情報をうのみにする方々もいるらしいこと、そしてそれ故、このたびそうした方々をお騒がせしてしまったことは、大変遺憾であります」との見解を示しています。