大学入試の過去問題集「赤本」が、2014年で創刊から60周年を迎えます。これを記念し、発行元の教学社は、赤本のこれまでの歩みや、表紙の移り変わりが分かる特設サイトを公開。各大学の工夫が詰まった「おもしろ入試問題」も掲載しています。
▽ http://www.akahon.net/akahon60/
赤本と呼ばれる問題集「大学入試シリーズ」は、1954年に創刊。はじめに発売されたのは「京大入試」「市立大・神大入試」「同志社・立命館入試」の3点でした。2014年現在、取り扱った大学数は375、刊行点数は500以上にのぼるそうです。
赤本の60年の歩みを取り上げたコンテンツでは、歴代の赤本や大学入試に関する出来事を紹介。創刊当初は赤くなかった表紙の色が、徐々にオレンジ色、柿色と変化していく様子も分かります。読者から「赤本」と称されるようになったのは、1977年ごろだそう。そのころはまだ柿色の表紙で、現在の赤色に近い表紙になったのは1986年版からでした。
「おもしろ入試問題」では、思考力を問うような「考えさせられる」「工夫されている」「解いていて楽しくなる」問題がピックアップされています。例えば、2000年度に静岡大学が出題した数学の問題。4次関数、分数関数、三角関数のグラフを書く問題ですが、この3つの曲線を重ねると、なんと「富士山」の形が現れます。静岡ならではの図に、問題を解いた当時の受験生も驚いたのではないでしょうか。
特設サイトでは、今後「受験応援レシピ」も公開される予定です。また“最古の赤本”となる1955年版を探しているとして、心当たりのある人は同社まで連絡してほしいと呼び掛けています。