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「太秦萌」のイラストレーター・賀茂川さんに聞く! ラフ絵を交えた制作エピソード



――太秦萌たちの存在は知っていましたか?
賀茂川 私は京都出身ではありますが、現在は東京在住なので知りませんでした。デザイン会社のGK京都さんから依頼があった時、京都市交通局のコンペとのことだったので、Webでなんとなくこれなんじゃないかな~と見当は付けていました。

――デザインをリファインしてほしいという依頼を受けた際、率直にどんなことを思いましたか?
賀茂川 コンペということもあったので「やったるでー!」という感じです。

――3人のキャラクターを描いていく中で、それぞれ賀茂川さんなりにこだわったポイントを教えてください。
賀茂川 3人とも、一目見て性格が伝わるようポージングなどにはこだわりました。これは私1人で決めたわけではなく、GK京都さんと「咲はこんな内股で走らへんのちゃうか」とか「ミサはもっとどんくさいよな~」というような感じで詰めていきました。


松賀咲のポーズ案。一番右のイラストでは、膝が少し内側に入っている。後に「咲はこんなに膝を内に入れた女の子走りはしないはずだ」という結論に至り、ここから陸上部らしい走り方に調整していった。


初期の段階では、私服の高校に通学しているという設定だった小野ミサ。ラフ絵では制服のコスプレをしている。「足元は遊んでいます」と説明する賀茂川さんは、個人的にドクターマーチンやジョージコックスなどを履かせたかったそう。

――3人の中で、一番苦労したキャラクターは?
賀茂川 うーん、太秦萌が一番苦労してるかな~。デザインの方向性、例えばどれぐらいの線の太さで、頭身のバランスをどうするかとか、今後の地下鉄娘たちの基本を決めるというのもあったので。やっぱり最初の太秦萌ですかね。


3人の中で一番苦労したという太秦萌。初期の段階では、3人とも髪のメッシュは入れていなかったとのこと。インパクトを狙って後で付け加えられた。

――GK京都さんからは、カードに登場する「都くん」のデザインにも3人以上にかなり労力をかけたとお聞きしました。苦労したポイントはありますか?
賀茂川 なんか嫌な形してるんですよ(笑)帽子とか。「どないなってるねんココ?」みたいなのがあったのと、メカだけどベジェっぽい線よりも手描き感を出したいなーというのもあったので、そこらへんの表現が難しかったです。欲を言えばもうちょっと柔らかく、例えば鳥山明先生が描くようなメカにしたかったなーっていう思いはあります。

――リファインされた絵が公開され、ネット上で「かわいすぎる」と話題を集めました。こうした反応はどういう気持ちで受け止めましたか?
賀茂川 想像がつかないようなたくさんの反響を頂けたので、とてもとてもうれしかったです!


ポスターデザインを作るに当たって描かれた松賀咲のポーズ案。AとBでは足の傾きが少し違う。他のキャラクターもそれぞれの性格に沿ったポーズにするため、GK京都と何度もミーティングし、微調整を重ねてきた。

――太秦萌の家族をはじめ、京都市交通局には他にもキャラクターがいます。今後リファインする機会があった場合、どのキャラクターを描いてみたいですか?
賀茂川 萌のお姉さんの太秦麗ですかね。3人娘もそうでしたが、どのキャラクターも原作者の愛情があふれているので、そういうお話があったら何でも楽しいでしょうね。

――賀茂川さんが描く萌のお姉さん、ぜひ見てみたいです。では最後に、今後、太秦萌たちにどのような存在になっていってもらいたいですか?
賀茂川 京都市交通局の看板というか、みなさんに広く末永く愛されるようになってくれたらええな~と思ってます。

賀茂川 京都出身。キャラクターデザイナー・イラストレーター。
2012年に創作活動を開始し、同年にpixivで開催された「サントリー C.C.レモン擬人化イラストコンテスト」で入賞。2013年には、アーティスト・かせきさいだぁさんのアルバム「アニソング!! バケイション!」の販促用ステッカーでイラストを担当した。

下記の記事では、新しいデザインのプロデュースを担当したデザイン会社・GK京都と京都市交通局に制作秘話を伺いました。とってもレアなポスターのプレゼントも! こちらもあわせてご覧ください!
京都の地下鉄キャラクター「太秦萌」はなぜ“進化”した? デザイン会社と交通局に聞く制作秘話 - はてなニュース

文: あおきめぐみ

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