「私のインターネット略歴」をテーマに、5人のはてなブロガーさんがバトンを回していくリレーコラム。ラストを飾るのは、ブログ「ネオ・マテリアルガールのすすめ」の小石川ちはる(id:lupin1107)さんです。10年前は、まだ一部の人しか使っていないように感じたインターネット。手元で簡単にアクセスできる現代で、思春期の人たちはインターネット上に転がる“楽しいこと”とどう接しているのでしょうか。気になります。(編集部)
はじめまして。
小石川ちはる(id:lupin1107)と申します。
よろしくお願いします。
今回のテーマは世代がわかるし、
ネットとどのぐらい関わってたかがわかるテーマで
おもしろいですね。
記憶が曖昧模糊な部分はありますが、
1992年早生まれの自分のインターネット略歴はこんな感じでした。
2003年~2005年(中学時代)
- とにかく「前略プロフィール」で死ぬほど個性を出したがっていた
- 「Yahoo!チャット」で当時大好きだったORANGE RANGEのファンと交流
- 掲示板で人生相談。25歳男性や30歳女性など人生の先輩からレスを待つ日々
- 個人HP(ORANGE RANGE関係)の巡回&BBS交流
- 自分の個人HP(ブログ、掲示板)作成。リアル&ネット両方の知り合いと交流
- 「魔法のiらんど」全盛期で「Deep Love」とかは絶対読まないと心に誓う
全体的に内輪っぽくて閉鎖的、というか
“最終的にリアルで人と関わりを持つためにツールとして使ってた感”があります。
「前略プロフィール」は当時の自己顕示欲の排出先で、
いかにかわいい写メまたはプリクラをUPするか
そしていかにこなれた風に質問に回答するかに命かけてましたし
掲示板の人生相談(コンプレックスだらけだったので)においても
人生の先輩おふたりとは結局携帯のメールでやりとりする流れになりました。
実際に会いはしませんでしたが、
それでも高校卒業ぐらいまでメールでの交流がありました。
個人HPもそう。BBSで「文通しませんかー」みたいに声かけて、
中3や高1のおねえさんたちとやりとりしてました。
携帯小説はね、個人的には
ほんとに片田舎の女子中学生たちへの毒だったと思います。
これが00年代前半っぽさの印象として強くあるから
思春期を過ごした年代に対して、
クリーンなイメージがまったくなくて嫌なんですよね。
不幸を題材にした娯楽が主流だったわけですから。
「心の病みがかっこいい」みたいな空気感ができてしまって、
風通しの悪い田舎には余計にいいものではなかった気がします。
2006年~2009年(高校時代)
- 「Mobage(モバゲー)」全盛期。リアル友達&先輩や趣味の近いネット友達と交流
- 「mixi」を先述の人生の先輩(25歳男性)の紹介でやりはじめる
- 「恋空」などますます携帯小説は流行るがもうそんなん読む歳じゃなかった
- 「CROOZ blog」にブログを移転する
- 「2ちゃんねる」や「ニコニコ動画」は“違う世界の人たち”のものだと思っていた
mixiが完全紹介制だったように、まだまだこのときも
“最終的にリアルで人と関わりを持つためにツールとして使ってた感”
てのが全体的に強い気がします。
たとえば自分がいく高校の先輩をモバゲーで探して、
ネット上でやりとりして入学してからリアルで顔合わせ&挨拶して
結局その人と同じ部活に入った、とかそんなこともありました。
でも、一般層である自分にも
だんだん両方(現実存在とネット存在)混ざってきた感じはありました。
モバゲーのアバター、HNはまったく現実味がないものにしてましたもの。
とはいえ、
ファッションと恋愛にしか興味がなかった女子高生の自分にとって
2ちゃんねるやニコニコ動画はまったく別世界の存在でした。
FC2とかlivedoor Blogとかじゃなくて
当時お姉ギャルと読モ御用達のCROOZ blogにブログを移転したことが、
その文化への興味のなさの最たる証拠というか。
高校のときからの男友達(囲碁部)が別世界に詳しくて
生粋のゲーマーで眼鏡で色素薄くて
クラシックなそちら側の人だったんですが(今もそのまま)
今となってはオールドスクールだと信頼をおかれる立場に
なっている部類に入るのかと思うと
ほんとうに人生なにがあるかわからないね、と話したものです。
知らないところで2010年代への準備がなされていたんだなぁって、
今はしみじみ思います。
2010年~2013年(大学時代)
なんか。
「マジで時代が変わっていってる……!」と感じたのがこの2010年代で。
もやもやしてた主流文化が「今の流行はこれです!」って
ガツンと一気に色を決めてきたような感覚です。
単に自分が成人して周りをみる余裕ができただけなのかもしれませんが、
“最終的にリアルで人と関わりを持つためにツールとして使ってた感”が
一気に弱まった感じもするんですよね。
その目的意識がなくなったと思うんです。
ネット上の人格やキャラクターがあってそれ自体が娯楽になっていたり
娯楽を享受するためのツールとして使っていたりして。
たとえばレイヤーさんはHNの名刺を交換し合って
そのまま現実とネットを行き来しているわけですよね。
自分が無知なだけで、そういった文化は
はるか昔からあったのかもしれません。周りの人をみてるだけですから。
しかし、それが表面化して一般にみえるようになったのが
2010年代という印象です。
2014年~現在(社会人)
とにかく明るい時代になったなーって、思います。
00年代半ばが嘘のようです。
現在思春期な子たちがうらやましいです。
ぎりぎりニコニコ動画が一般化し、
アニメ・漫画がデフォルトの趣味になったときには
青年期に移行していたわたしですが、同世代でもいろいろ。
先述の男友達のように
黎明期からニコニコ文化に浸かっていた人もいますし、
同じ世代でもインターネット経歴のちがいで
身に染みて享受してる文化に開きがあるなとしみじみ思います。
しかし、そんな
経歴や世代間が違う文化もクロスしてるのが現在だと思います。
たとえば、よくサイトを拝見しているレコード・CD・機材屋さんが
ボカロ・アニソンDJのイベント情報をとりあげたりしているなど。
自分より若い人たちがどんどん楽しんでいるなって。
ほんと、豊かになれる時代だよなぁと心から思ってるんです。
愛情と情熱と手を動かす実行力が試されてて、
自分で自分をゴキゲンに保てるマテリアルが溢れている。
上滑ってるわたしですら創作意欲が刺激されるマテリアルがたくさんあって
だからブログを書くというのも一般化したんだと思います。
とにかく楽しいことがアホみたいにゴロゴロ転がってますから、
年上からも年下からも祭りはどんどん教わりたいですね。
教わったあと自分の感覚で仕分けたいです。
10代のエネルギーをいい意味で認めつつ、
自分らも自分らなりに祭りを楽しめたらいいですよね。
以上
00年代から10年代のネットと文化 【どっちにもいけない生活】
でした。
筆者:小石川ちはる(id:lupin1107)
はてなブログ:ネオ・マテリアルガールのすすめ
「どっちにもいけない」いち女子です。
リレーコラム「私のインターネット略歴」、前回までの記事はこちらからどうぞ。
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