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【リレーコラム:私のインターネット略歴】暇だから私のインターネット略歴を公開します



こんにちは。暇な女子大生です。最近は連日連夜近所のレストランや飲み屋に出かけてしこたまお腹を膨らませ、お財布を萎(しぼ)ませています(中野には美味しいお店がたくさんあるからしょうがない)。



歳を取ってきたせいか、以前まで外食といえばオムライスやパスタなど炭水化物の塊ばかり好んで食べていたのに、今ではもっぱら赤提灯が煌々(こうこう)と照り輝く焼き鳥屋に通い詰めています。酒を飲むわけでもなく、誰かと語らうでもなく、自分の身体に必要な分のタンパク質を詰め込むだけ詰め込んだらとっとと帰るというドライなスタイルですが……。



という冒頭とは全く関係のない話を今からします。



このはてなニュースのリレーコラムは毎回お題が決まっているわけなのですが、今回は「私のインターネット略歴」という、いつにも増してどこに需要があるのか全く分からないテーマとなっています。



これを無視して中野のメシの素晴らしさを淡々と語っても良いのですが、ここはひとつ、長い物には巻かれておくことに致しましょう。




私のインターネット略歴~エロとブログと時々、スネイプ~

1、右も左も分からなかった女子小学生とインターネット

アップル社が今のような勢力を誇るなどとはまだ誰も思っていなかった1990年代。世間ではWindowsが一世を風靡(ふうび)しており、私の小学校にも「パソコンの授業」が導入されました。



薄皮(?)一枚隔てた画面の向こうには情報の大海が広がっていたにもかかわらず、学校の教師たちは幼気(いたいけ)な小学生にとって「有害」なインターネットにアクセスすることを頑(かたく)なに禁じました。



「いいか、絶対押すなよ、その『e』のマークは絶対押すなよ!」



と、ダチョウ倶楽部のフリ並みの念押しをされた私たちはただひたすら「右クリック」「左クリック」の練習をさせられたり、ペイントで絵を描かされたりしました。

*「e」のマーク=インターネットエクスプローラーのアイコン



小さな子どもに「インターネットは毒だから見ちゃいけないよ!」と問答無用で禁止してしまうことが、その後のインターネット依存症を誘発しているのではないか……と考えてしまうのは私だけでしょうか。親や先生が「ダメ」と押さえつけるものほどその蓋を開けたときに夢中になってしまうのが世の常です。



ちなみに私はどっちが右でどっちが左かよく分からなくなるので、左クリックをすべきところで必ず右をクリックして不要なポップアップを出していました。



ちなみに「左右が分からない問題」は現在も続いていて、教習所で「そこ右に曲がって」と言われると「右……えっと、どっちだっけ……」と5秒くらい固まってしまうので、免許を取るのには大変難儀しました(それでも取れてしまう不思議)

2、スネイプ先生に恋した女子中学生とインターネット

中学校に上がると一応インターネットも解禁になり、パソコンの授業(「情報の授業」だったかな……?)の時にはGoogleで「グロ」と検索し、ドクロの目の間からヘビが出たり入ったりしている画像とかを見て楽しんでいました。



そして念願の「携帯電話」を買ってもらったのも中学生の時です。



当時私は「ハリーポッター」というイギリスの魔法小説に熱中していて、特に魔法薬学の先生である「セブルス・スネイプ教授」に完全に恋をしていました。



実在しないキャラクターに恋をする女子中学生に「インターネット」を与えるとどうなるか。



ネット上には「スネイプに言われたいセリフ」「もしもスネイプが博多弁ユーザーだったら」みたいなタイトルの2ちゃんねるや、口では(文章でも)説明できないような過激な二次創作が死ぬほど転がっていました。



もちろんその全てを片っ端からクリックしました。



「夢小説」といって、自分の名前を入力するだけでストーリーのヒロインになれてしまうという、本当に夢のようなサイトも流行っていました。



もちろんスネイプに何回も自分の名前を呼ばせました。



そうやって毎日ケータイでスネイプ関連のページを見ていたら、利用料金の請求額が3万円を超えました。「パケットし放題」という概念がまだなかったのか、自分のケータイがそのシステムに加入していなかったのかは忘れましたが、「絶対親に怒られる!」と青ざめたことは覚えています。

「快楽を得るには、それ相応の対価を支払わねばならないのだな」と悟ったのもこの時期です。

3、性欲は抑えきれなかった女子高生・女子大生とインターネット

ハリーポッター熱もだいぶ冷めたこの頃、恋愛対象はもはやキャラクターなどではなく生身の人間でした。そして性欲もおかしなことになっていて、「もっとこの世の中にはびこる全てのエロを知り尽くしたい!!」という謎の情熱に駆り立てられていました。

小学校の先生があの時あんなに禁じていた「アダルト」や「出会い系」など、青少年にとって害のある全てのジャンルのサイトに次々とアクセスし、知らないおじさんから「20000円払え」と急に電話がかかってきて泣きそうになりました。



大学生になり一人暮らしを始めた当初、深夜番組で見た「蒼井そら」さんに夢中になり、親から譲り受けたパソコンで「蒼井そら」で検索しまくっていたらいつの間にかまた「90000円を3日以内に振り込め」と言われてしまい、泣きながら消費者相談センターに電話をかけたりしました。



ここまできてようやく「インターネットとは何て恐ろしいものなのだろう」と実感しました。

4、ブログ(笑)とか馬鹿にしていた女子大生が「暇な女子大生」に変わるまで

「ブログなんて自己顕示欲の塊のような人たちが自己満足でやってるんでしょ? 格好悪いし、見てて痛い」と思っていた私はブログを書いている人を何となく見下していました。当時周りで流行っていたSNSのイメージが私の中で「スイーツ(笑)」「DQNばかり」「反吐が出る」だったので、ブログもどうせ同じように低レベルな人たちが滅茶苦茶な日本語で書いている、ネット上のただのゴミだと思っていました。



そんな「『ブロガー』とかキモチワルイよね」派だった私に転機が訪れたのは、大学の山岳サークルに入ってからでした。



そのサークルでは週末、山に登るごとに「山行記録」として感想などをブログに書く決まりがあったのですが、皆が書いていた文章がクソつまらなかったのです。



「私ならもっと面白く書けるのになぁ……」



そんな根拠のない自信があった私は部長に「今回は私に書かせてください」と申し出ました。そんな積極的なセリフが私から出ることは滅多になかったので、部長は訝(いぶか)しがりながらも「いいよ」と言ってログインパスワードを教えてくれました。



自分の文章をいざ公開してみたら予想以上に好評で、「●●さんって体力ないから山の上では全然役に立たないけど、ブログ書くのだけは上手だよね」みたいなニッチなポジションを手に入れ、一気にブログにハマっていきました。もはやブログを書くためだけに山に登っていたし、なんなら山には登りたくないけどブログだけ書きたいというおかしなジレンマに苛(さいな)まれていました。



しかし就職活動が始まりサークルから足が遠のいて、私の「書きたい欲」をぶつける場所がなくなってしまったのです。



「あ、そうだ、自分のブログ始めればいいのか…」



そういう軽い気持ちで始めたのが「暇な女子大生が馬鹿なことをやってみるブログ」でした。

「ブログ=炎上」みたいなイメージもあったので、自分だけが面白がって書ければいい、という考えで最初のうちは更新していました。それがまさかこんなにもたくさんの人に読んでもらえるブログに成長するとは、あの時には夢にも思いませんでした。



小学6年生の時に「ハリーポッター」を読んで、自分もお話を作れる人になろうと何となく決意し、仲の良い友だちだけにこっそり小説を見せていた私が、インターネットの普及とともに不特定多数の方々に文章を読まれるようになった。その事実を素晴らしくも感じているし、恐ろしくも感じています。

5、それでも情弱な独身女性とインターネット

ブロガーからWEBライターになって、多分今いる場所は「IT業界」のはずなのに専門的な知識やスキルは全く習得することなくここまで来てしまいました。インターネットサービスを利用しようとしても途中でつまずいてしまうため、いつもすぐにカスタマーセンターに電話してしまいます。でも、電話の声を聞くとホッとするのです。「ああ、自分が対峙(たいじ)していたのは無機質な電気信号なんかじゃない。人間なんだ。インターネットの向こうにはちゃんと『人間』がいる」と。



暇な女子大生としてインターネットで活動している私も、画面の向こうにいる人にちゃんと私という「人間」を感じてもらえるような文章を書いていきたい、そんなふうに思っています。

暇な女子大生

筆者:暇な女子大生(id:aku_soshiki
はてなブログ:暇な女子大生が馬鹿なことをやってみるブログ

梅干しを舐めるだけで1日潰せます

Twitter:@sada_freejd29


リレーコラム「私のインターネット略歴」、前回までの記事はこちらからどうぞ。
【リレーコラム:私のインターネット略歴】ネット歴17年、わたしのインターネット履歴書。 - はてなニュース
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文: 暇な女子大生

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