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人は「褒められると上手になる」ことを科学的に証明 生理研などの研究で



「褒められると上手になる」ことを科学的に証明/自然科学研究機構 生理学研究所
Social Rewards Enhance Offline Improvements in Motor Skill

生理研の定藤規弘教授らの研究グループは、次のような実験を行いました。まず48人の成人を対象にトレーニングを行い、ある連続的な指の動かし方を覚えてもらいます。その後、被験者を「自分が評価者から褒められる」グループ、「他人が評価者から褒められるのを見る」グループ、「自分の成績だけをグラフで見る」グループの3つに分けます。すると次の日、彼らに覚えたことを思い出して再度指を動かしてもらうと、自分が評価者から褒められたグループは、他のグループに比べてより“上手”に指運動ができたそうです。

この実験により、運動トレーニングによる運動技能の習得をより“上手”に促すためには、“褒める”ことが効果的であると分かりました。今後は、教育やリハビリテーションの現場での応用が期待されています。

定藤教授は研究結果について「“褒められる”ということは、脳にとっては金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬であると言えます。運動トレーニングをした後、この社会的報酬を得ることによって、運動技能の取得をより“上手”に促すことを科学的に証明できました。“褒めて伸ばす”という標語に科学的妥当性を提示するもので、教育やリハビリテーションにおいて、より簡便で効果的な“褒め”の方略につながる可能性があります」とコメントしています。

文: 古関崇義

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