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はてなスタッフによるオススメのマンガ座談会<少女・女性向け作品編>


■これだけは外せない!一読すべきマンガたち


nandeyanen36 まずは、みなさんのオススメを教えてください。

cho45 僕は紺野キタさんの作品です。

nandeyanen36 みなさんは読んだことはありますか?

antipop 熱狂的に「好きだ」と言っている人は知っていますが、僕は読んだことないです。

cho45 僕はこの人の作品が全部好きなんです。まず、雰囲気がとても良くて、絵もかわいい。最近の作品に『つづきはまた明日』という、母親が亡くなって父子家庭になった兄弟の話があって、これもすごくいい。あらすじだけ聞くと暗そうな作品と思われそうなんですが、そうでもなく、ただずーっと日常的なことが刻まれていくだけ。でも、心にくるんですよね。

つづきはまた明日 1 (バーズコミックス ガールズコレクション)

つづきはまた明日 1 (バーズコミックス ガールズコレクション)

  • 作者:紺野 キタ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
  • 発売日: 2009/02/24
  • メディア: コミック

nanto_vi 少女マンガというと『BANANA FISH』も外せませんよね。

cho45  お、出た出た!

nandeyanen36 『BANANA FISH』は読んだことありますか?

antipop あります。

onishi  ないですね。

nandeyanen36  私もないんですよ。もう連載は終わってるんですか?

nanto_vi 終わってます。作者の吉田秋生さんは今もいろいろ発表されてますね。

BANANA FISH (1) (小学館文庫)

BANANA FISH (1) (小学館文庫)

  • 作者:吉田 秋生
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1996/12/05
  • メディア: 文庫

nandeyanen36  id:antipopさんは今年、百人一首を題材にした『ちはやふる』をブログやTwitterで猛プッシュされてましたね。

antipop  はい。すごくいい作品ですね。

ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)

ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)

  • 作者:末次 由紀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/05/13
  • メディア: コミック

nanto_vi 『ちはやふる』といえば、同じくスポ根モノの『しゃにむにGO』もいいですよね。

nandeyanen36 私も読んでました!テニス部だったので。

nanto_vi あれは全32巻の長さを感じさせなくて、読み始めたら止まらなくなるんですよね。テンションを下げずに最後まで読み切れます。

しゃにむにGO (1) (花とゆめCOMICS)

しゃにむにGO (1) (花とゆめCOMICS)

  • 作者:羅川 真里茂
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: コミック


■自分の中の“少女マンガ”と言えば?


antipop 僕は紡木たくさんの『瞬きもせず』が好きですね。

onishi いいよね。たしか『別冊マーガレット』で連載してたんだっけ。

cho45 (Wikipediaを見ながら)これ全部絶版なんですね。

nandeyanen36 1987年連載開始!私、生まれてないです。

瞬きもせず 1 (集英社文庫(コミック版))

瞬きもせず 1 (集英社文庫(コミック版))

  • 作者:紡木 たく
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1999/03/18
  • メディア: 文庫

nandeyanen36 そういえば、何のマンガを最初に読んだか覚えてます?

nanto_vi たぶん、『動物のお医者さん』か『ふしぎ遊戯』です。

動物のお医者さん (第1巻) (白泉社文庫)

動物のお医者さん (第1巻) (白泉社文庫)

  • 作者:佐々木 倫子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1995/12/19
  • メディア: 文庫
ふしぎ遊戯 (1) (少コミフラワーコミックス)

ふしぎ遊戯 (1) (少コミフラワーコミックス)

  • 作者:渡瀬 悠宇
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1992/06
  • メディア: コミック

nandeyanen36 そもそも、男の人ってどうやって少女マンガに触れるんですか?

r_kurain アニメから入る人が多そう。僕は『カレカノ』(『彼氏と彼女の事情』)をアニメで見て、ハマって原作にも手を出しました。自分で買ったのはそれが最初かなあ。

onishi 僕も“アニメから原作派”です。

彼氏彼女の事情 (1) (花とゆめCOMICS)

彼氏彼女の事情 (1) (花とゆめCOMICS)

  • 作者:津田 雅美
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1996/06
  • メディア: コミック

onishi 姉妹がいると雑誌で読めたりするんだけどね。

nandeyanen36 みなさん、姉妹はいますか?

nanto_vi いないですね。

antipop 僕は妹が。でも、おばさんが持っていた『キャンディ・キャンディ』などのマンガを読んだ記憶のほうが強いかも。あと、何年かごとに「少女マンガを読もう」というブームが起きてる気がする。

キャンディ・キャンディ (1)  講談社コミックスなかよし (222巻)

キャンディ・キャンディ (1) 講談社コミックスなかよし (222巻)

nanto_vi 『ぼくの地球を守って』もそのブームで読まれた感じですよね。

onishi 少女マンガは教養だから読むべき。僕は柊あおいさんの『星の瞳のシルエット』をオススメします。大学時代に恋のバイブルだよ、って言われて読み始めました。

nanto_vi 『星の瞳のシルエット』もいいですが、僕が柊あおいさんを知ったのはやっぱり『耳をすませば』でしたね。

nandeyanen36 映画の「耳をすませば」は知られていても、原作の存在を知らない人って多そう。

onishi 原作自体は賛否両論あるみたいですよ。当時は伏線を張ったけど拾わずに打ち切り、という感じだったんです。

nanto_vi 一応、短期集中連載だったそうですけど、作者本人も映画のパンフレットの中で「もうちょっと続けたかった」って言っていたような記憶があります。

nandeyanen36 コミックは全1巻なんですよね。

nanto_vi そうです。その後、映画化と同時に短編の続編が出たんですよ。

r_kurain  文庫本で買うとまとめて読めるそうですよ。

星の瞳のシルエット (1) (りぼんマスコットコミックス)

星の瞳のシルエット (1) (りぼんマスコットコミックス)

  • 作者:柊 あおい
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1986/06
  • メディア: 新書
耳をすませば (集英社文庫(コミック版))

耳をすませば (集英社文庫(コミック版))

  • 作者:柊 あおい
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/07/15
  • メディア: 文庫

nandeyanen36 id:r_kurainさんは少女マンガは読みますか?

r_kurain あんまり読まないんですが、谷川史子さんは好きですね。

nandeyanen36 『りぼん』で読んでました!私、中学生の頃まで“りぼんっ子”だったので、少女マンガと言えば『りぼん』のイメージが強くて。

onishi 僕も、アニメ化作品が多いので『りぼん』の作品はよく読んでましたね。

nanto_vi 何が連載されていたんですか?

nandeyanen36 私の頃は『こどものおもちゃ』、『神風怪盗ジャンヌ』ですね。「ジャンヌ」の人気がすごかったです。

こどものおもちゃ 1 (りぼんマスコットコミックス)

こどものおもちゃ 1 (りぼんマスコットコミックス)

  • 作者:小花 美穂
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1995/04/14
  • メディア: コミック
神風怪盗ジャンヌ 1 (りぼんマスコットコミックス)

神風怪盗ジャンヌ 1 (りぼんマスコットコミックス)

  • 作者:種村 有菜
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1998/09/14
  • メディア: コミック
onishi 吉住渉さんはどう?

nandeyanen36  吉住渉さんも好きです。『ママレード・ボーイ』は本当にオススメです!

onishi あの頃は『りぼん』の作品が続けてアニメ化されていましたね。

ママレード・ボーイ 1 (りぼんマスコットコミックス)

ママレード・ボーイ 1 (りぼんマスコットコミックス)

  • 作者:吉住 渉
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1992/12/08
  • メディア: コミック

■nanto_viイチオシ! 「花とゆめコミックス」


nandeyanen36 最近読んだ中でおもしろい作品はありますか?

nanto_vi 最近、といえばあきづき空太さんの『青春攻略本』ですね。

青春攻略本 第1巻 (花とゆめCOMICS)

青春攻略本 第1巻 (花とゆめCOMICS)

  • 作者:あきづき 空太
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2009/12/04
  • メディア: コミック

nandeyanen36 id:nanto_viさんは『花とゆめ』の作品が好きですよね。どんなストーリーなんですか?

nanto_vi 男子高校生が好きな女の子に近付くために、友達と馬鹿げた作戦をたくさん立てるんです。その過程が「青春だな、男の友情っていいな」と思うんです。あ、そういえば白泉社のHPで試し読みができますよ。
白泉社

nandeyanen36 「花とゆめコミックス」は読みますか?

onishi 学生時代は読んでました。『僕の地球を守って』世代です。 

r_kurain 僕は『フルーツバスケット』だなあ。

一同 あー。

ぼくの地球を守って (第1巻) (白泉社文庫)

ぼくの地球を守って (第1巻) (白泉社文庫)

  • 作者:日渡 早紀
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1998/03/01
  • メディア: 文庫
フルーツバスケット (1) (花とゆめCOMICS)

フルーツバスケット (1) (花とゆめCOMICS)

  • 作者:高屋 奈月
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1999/01/01
  • メディア: コミック

r_kurain 『オトメン』は途中まで買ってました。

nandeyanen36 あれもすごく人気ですよね。

オトメン(乙男) 第1巻 (花とゆめCOMICS)

オトメン(乙男) 第1巻 (花とゆめCOMICS)

  • 作者:菅野 文
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2007/01/19
  • メディア: コミック

onishi 僕はやっぱり「ガラかめ」だな。

r_kurain 「ガラかめ」って?

onishi 『ガラスの仮面』ですよ。

r_kurain そんな略し方するんですか!初めて知った。

onishi 僕の学生時代に文庫本が出始めて、そこから読み始めました。続きが気になるから「花とゆめコミックス」の既刊を読んで、待つこと数年、みたいな。

nandeyanen36 最近は割と順調に単行本が出てますけどね。

nanto_vi 出てるって言っても、何年かに1冊ですし…。

onishi いつもちゃんと話題になるのがすごい。「ついに携帯電話が出た!」とか。

nanto_vi あれはビックリしました!

onishi 43巻くらいまで出てきてなかった携帯電話がなんの前触れもなく登場しましたからね。あれは激震でした。

ガラスの仮面 1 (花とゆめCOMICS)

ガラスの仮面 1 (花とゆめCOMICS)

  • 作者:美内 すずえ
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1976/04/20
  • メディア: コミック

cho45 「花ゆめ」系だと、僕のオススメは鈴木ジュリエッタさんの『神様はじめました』です。

nanto_vi 鈴木ジュリエッタさんの作品はいいですよね。女の子が非常にかわいらしくて。

nandeyanen36 どういうストーリーなんですか?

cho45 主人公の父親が失踪して、住む家がなくなるんです。これからどうやって生きて行こうというときに、神社に行くんですね。そこにいた土地神が土地を渡して、その子が土地神になるんです。主人公がダメな感じでかわいくて。

神様はじめました 第1巻 (花とゆめCOMICS)

神様はじめました 第1巻 (花とゆめCOMICS)

onishi 僕は川原泉さんの作品が好きですね。

nanto_vi 僕も『銀のロマンティック…わはは』を読んだときに笑い死ぬかと思いました。

銀のロマンティック…わはは (花とゆめCOMICS)

銀のロマンティック…わはは (花とゆめCOMICS)

  • 作者:川原 泉
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1986/07
  • メディア: コミック

nanto_vi 僕は高校の時に初めて読んだ『ここはグリーン・ウッド』が本当に好きで。

onishi 僕はアニメで『ここはグリーン・ウッド』を知りました。

nandeyanen36 アニメ化してたんですか?

onishi&nanto_vi OVAで。

nanto_vi  名門男子高校生に入学した蓮川一也という男の子がいろいろと不幸な出来事に見舞われる話です。

nandeyanen36 『花とゆめ』は学園モノのイメージが強いなあ。

nanto_vi 少女マンガだけど、男の子が主人公の作品が多いですからね。男の子でも読みやすいと思います。

ここはグリーン・ウッド (第1巻) (白泉社文庫)

ここはグリーン・ウッド (第1巻) (白泉社文庫)

  • 作者:那州 雪絵
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2000/12/01
  • メディア: 文庫

■名作ぞろい!少女マンガ界の大御所「花の24年組」


nandeyanen36 今まで読んできた少女マンガで「これは絶対おもしろい!だれかにオススメしたい!」という作品はありますか?

antipop 萩尾望都さんです。

一同 おー。

nandeyanen36 萩尾望都さんと言えば、営業のid:yosukeさんが作品をScanSnapでスキャンして、iPadで読めるようにしているらしいですよ。1日1冊ペースで。

onishi へー。すごい。

nandeyanen36 萩尾さんはやっぱり少女マンガ界の大御所ですよね。みなさん読んだことありますか?

r_kurain 知っていますが、読んでないですね。

onishi 僕は『トーマの心臓』や『ポーの一族』など、メジャーな作品だけ読んでます。
nandeyanen36 私も、最近やっと『ポーの一族』を読んだんですが、すごくおもしろいですよね。そこから同時代の少女マンガに興味がわいて、竹宮恵子さんの『風と木の詩』も読み始めました。

トーマの心臓 (1) (小学館文庫)

トーマの心臓 (1) (小学館文庫)

  • 作者:萩尾 望都
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1995/08/10
  • メディア: 文庫
ポーの一族 (1) (小学館文庫)

ポーの一族 (1) (小学館文庫)

  • 作者:萩尾 望都
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1998/07/17
  • メディア: 文庫
風と木の詩 (第1巻) (白泉社文庫)

風と木の詩 (第1巻) (白泉社文庫)

  • 作者:竹宮 惠子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1995/03/01
  • メディア: コミック

r_kurain 大島弓子さんもいいなあ。

antipop 山岸凉子さんも。いわゆる「花の24年組」と呼ばれる方たちですね。

nandeyanen36 でも「花の24年組」は親世代ですよね。どうやって知りました?

r_kurain 映画化で知ることが多いですね。

nandeyanen36 やっぱり実写化やアニメ化とかっていうのは印象が強いんですね。

onishi 『ポーの一族』は連載開始が1972年か。さすがに『パタリロ!』あたりは、かなり語れるけど。

nandeyanen36 『パタリロ!』懐かしい!

onishi あの中で『ポーの一族』のパロディがあるなんて、全然気づかないですよね。われわれの世代では。

パタリロ! (第1巻) (花とゆめCOMICS)

パタリロ! (第1巻) (花とゆめCOMICS)

  • 作者:魔夜 峰央
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1979/11/01
  • メディア: コミック

■数ある作品の中から一番を選ぶなら?

nandeyanen36 最後に一番好きな少女・女性向けマンガを語ってください!

nanto_vi やっぱり那州雪絵さんの『ここはグリーン・ウッド』ですね。その他にも那州雪絵さんは良作をたくさん描いているのでぜひ読んでいただきたいです。今も隔月刊誌『ウィングス』で『魔法使いの娘ニ非ズ』を連載されていますし。

onishi まだ連載してるもんね。息が長い。

r_kurain 女性向けマンガに入るかどうか微妙ですが、僕はこうの史代さんの作品が好きです。心に染みる話が多くて、ほとんど買ってます。

onishi 僕はアニメをよく見ていた頃に少女マンガを一番読んでいたので、『赤ずきんチャチャ』とか『姫ちゃんのりぼん』などの『りぼん』作品に思い入れが強いです。作家では吉住渉さんをよく読んでいて、きっかけはアニメだけど、そのあとも買い続けました。でもやっぱり、一番感銘を受けたのは三原順さんの作品かな。一読をオススメします。

赤ずきんチャチャ (1) (りぼんマスコットコミックス (650))

赤ずきんチャチャ (1) (りぼんマスコットコミックス (650))

  • 作者:彩花 みん
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1993/02
  • メディア: コミック
姫ちゃんのリボン 1 (集英社文庫(コミック版))

姫ちゃんのリボン 1 (集英社文庫(コミック版))

  • 作者:水沢 めぐみ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/01/17
  • メディア: 文庫

antipop 一番となると『瞬きもせず』かな。あの頃の田舎の中学生はみんな読んでいて、不良なんだけど捨てられている子犬を助ける、なんていう王道パターンはあの作品が走りなんですよね。

cho45 僕は最初に言った紺野キタさんの作品ですね。もう毎日読んでます。



人気マンガにまつわる辛口トークも!少年・青年マンガ編は以下からどうぞ。
http://b.hatena.ne.jp/articles/201008/1587

文: タニグチナオミ

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