株式会社はてなは4月1日(金)、3文字まで投稿可能な世界最小のナノブログ「はてなナウ」を公開しました。某ミニブログサービスへの挑戦状ともとれる「はてなナウ」について、ディレクターの二宮鉄平(id:nmy)に開発の経緯や裏側を語ってもらいました。
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▽ 世界最小のナノブログ、はてなナウを公開しました - はてなの日記 - 機能変更、お知らせなど
■ どうして“3文字”なのか――「はてなナウ」のきっかけ
――なぜこんなに奇妙…あ、いえ、ユニークなサービスを開発したのですか?
二宮 僕は、近年顕著な“140文字ブーム”にずっと疑問を感じていました。「コミュニケーションとは、もっとシンプルであるべきではないのか」、と。同じ考えを抱いていた栗栖義臣(id:chris4403)と池田拓司(id:tikeda)に声をかけ、一緒に今回のプロジェクトを立ち上げました。
オフィスの隅で“最小”の気持ちになり切る二宮氏
――ズバリ、なぜ“3文字”をフィーチャーしたのですか?
二宮 プロジェクトがスタートし、まず初めにぶつかった壁が「コミュニケーションがとれる最小文字数は何文字か?」という問題でした。最小の文字数は“1文字”ですが、たった1文字で感情表現するのはとても困難です。チームメンバーは日夜、発言に意味を持たせ、なおかつ感情を込められる文字数を研究しました。そしてたどり着いたのが“3文字”だったのです。
■次々と襲いかかる難題…「はてなナウ」の開発秘話
――開発の際、苦労したことはありますか?
二宮 もう、“苦労”の大バーゲンでしたね。一番悩んだのはデザインでした。「はてなナウ」は雲をモチーフにすることが決まっていたんですが、どうやっても某ミニブログサービスに似通ってしまうんです。そんなつもりはこれっっっぽっっちもなかったのですが、なぜかそっくりになってしまうんですよねえ…。デザイナーの池田は相当葛藤しているようでした。
社内最小ツール「つまようじ」を駆使する二宮氏
――どうやってその問題を解決したんですか?
二宮 雲って、とっても大きいじゃないですか。ぶっちゃけ、マイクロブログというコンセプトにはそぐわないんですよ。しかし、大人の事情があるので「嫌です」とは言えず、雲を“ドット化”しました。ドットはモニターの“最小単位”ですから。モチーフを変更することなく、某ミニブログサービスとの差別化も図れますし。
――(それでいいのか…)な、なるほど!発想の転換というやつですね!お見事!
二宮 いやいや、それほどでも。僕はドット化だけで満足していたんですが、池田は本当にいいヤツなので、CSSの冒頭で「Sorry Twitter」と謝ってしまっています。あ、いけね、サービス名バラしちゃった!ここだけの話にしておいてください。
池田氏の良心が垣間見えるCSS
――レアな「マルチバイト文字」の使用についても議論になったと聞きました。
二宮 そうなんです。「㍿」や「㌢」などのレアな「マルチバイト文字」を使うと、概念的には3文字をオーバーしてしまうんです。実際、リリースの直前まで「禁止すべきだ!」という意見が根強く残っていました。しかし、私たちが使っている「日本語」は、多様性のある言語として知られています。その歴史や文化を尊重するため、最終的には使用可としました。
■「はてなナウ」が目指すものとは
「はてなナウ」はスマートフォンからも投稿できる
二宮 とても多くのユーザー様にご利用いただいています。4月1日(金)の18時時点で、投稿数は2万件を超えています。
――おお!このペースでいくと、投稿数100億も夢じゃないですね!
二宮 何を言ってるんですか!僕たちが目指しているのは“最小”なんです。ユーザー数や投稿数の多さを求めるのは理念に反します。これからも、「より小さく、より最小に」をモットーに“ナノ”を極める予定です。
――な、なるほど…。
二宮 近年、英語の社内公用語化が話題になっていますが、はてなでは「3文字」のみで社内コミュニケーションを活発化していく予定です。
――(…転職しようかな)
ミニマムなコミュニケーションを推奨するナノブログサービス「はてなナウ」をぜひご利用ください。
4月1日はエイプリルフールです。