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依然としてソーシャルよりテレビ 総務省、震災に関する情報行動を調査



総務省|東日本大震災を契機とした情報行動の変化に関する調査結果の公表

東日本大震災後、震災関連の情報収集手段として、ソーシャルメディアを中心とするインターネットの活用に注目が集まりました。これを受けて情報通信政策研究所は、震災をきっかけに国民の情報行動やメディアへの信頼度がどの程度変化したのかを郵送調査し、震災直後と現在の2時点と震災前における情報行動の変化を比較・検証しています。調査期間は2012年2月下旬~3月上旬、調査対象者は13歳~69歳の男女2,256人で、有効回答数は1,625人です。

震災前に地震や台風などの災害関連情報を主にどのメディアから得ていたかについては、年代を問わず「テレビ」と答える人が最多でした。続いて、新聞またはニュースサイトが挙げられています。これらに比べると、ラジオやソーシャルメディアなどの利用率は低く、半分かそれを下回る程度だったそうです。

震災後のメディアの利用状況については、緊急性や速報性が高い情報を「地震速報」「避難指示」「帰宅時の交通状況」に、長期的かつ専門的なテーマを「原発事故・放射能」「食の安全(放射性物質の影響)」に分類し、それぞれの情報源や役に立った度合い、信頼性を調査しています。

震災後に主な情報源として最も利用されたメディアは、すべての年代および全テーマで「テレビ」でした。新聞は速報性の高い情報よりも、「原発事故・放射能」「食の安全」といった専門分野を知るために利用されています。ソーシャルメディアは、どのテーマにおいてもテレビや新聞、ニュースサイトの半分にも満たない割合に留まっています。ソーシャルメディアを利用する割合が高い20代の結果に注目しても、震災前と震災後の利用率に大きな変化は見られなかったとのことです。

また、「原発事故・放射能」「食の安全」に対する情報源の信頼度については、新聞とニュースサイトが速報性のある分野とほぼ同じ信頼度を保っていました。一方、テレビやラジオは、速報性のある分野で見られた信頼度に比べると20ポイント程度低い結果になりました。大学・研究機関が発信するTwitterの信頼度がやや高く、50%~55%程度となっています。しかし、ソーシャルメディアやブログはどのテーマでも信頼度が50%に満たなかったことから、同研究所は「ネットなど他のメディアがテレビを代替・補完するような高い信頼度を特に得ていたわけでもなかったと見られる」との見解を示しています。

震災後、新しい役割が注目されたソーシャルメディアについては、20代でも2割程度の利用に留まりました。信頼度は、大学・研究機関のTwitterを除くと、20代以外で50%に届きませんでした。これらの調査結果から、同研究所は「ネットという新しいメディアで情報収集し、信頼度が高い情報を得ようという行動にはあまりつながっていないのではないか」と推測。その理由の1つとして、ブログやソーシャルメディアは「信頼性の高い情報に行き着くこと自体が既存メディアに比べて難しく、情報源として活用しにくい」との点が影響しているのではないかと指摘しています。

文: あおきめぐみ

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