38度の気温とお風呂、同じ温度のはずなのに気温の方が暑く感じるのはなぜ?――この疑問を解き明かすために取り組んだ中学生たちの研究が、はてなブックマークで注目を集めています。お風呂に潜ったり研究所の先生に話を聞きに行ったりと、生徒たちは仮説と検証を繰り返しながら結論を導き出しています。
▽ http://www.shizecon.net/sakuhin/43jhs_minister.html
この研究は、愛知県刈谷市立刈谷南中学校の科学部に当時所属していた6人の生徒が「38℃の日は暑いのに38℃の風呂に入ると熱くないのはなぜか」というタイトルで発表しました。小・中学生を対象にした「自然科学観察コンクール」の第43回(2002年)で文部科学大臣賞を受賞しています。生徒の1人が暑い日にシャワーを浴びている際に「同じ38℃が自分の体の周りにあるのに、どうして気温の場合には暑くて、シャワーは気持ちいいの?」と疑問を持ったことから、科学部の研究テーマとして検証するに至ったそうです。
生徒たちは「熱さを感じるセンサーは首から上にあるのでは」「空気と比べて、熱の伝導率は水の方が25倍くらい大きいからでは」といった仮説をもとに検証を繰り返した後、名古屋大学の環境医学研究所に所属する先生に話を聞きました。先生の話をもとに、生徒たちは「熱さ(暑さ)を感じるのは、深部温と皮膚温の温度差が大きいときである」との仮説を立て、再び検証。最終的に「皮膚温と外気温の差」に着目し、研究テーマに対する答えを「皮膚温と外部の温度の差で暑さ・寒さを感じるから」であると結論付けました。
ふとした疑問を繰り返し検証することで解き明かした生徒の取り組みに、はてなブックマークのコメント欄には「体験して、考えて、実験して、検証して。立派です」「仮説検証のサイクルを回して成果に結びつける。科学してるなぁ。すごい!」「今、この人達は25歳くらいか……大学の卒論などを見てみたい」といった声が集まっています。