図書館流通センター(TRC)は、全国の公共図書館で働くTRCのスタッフが選んだおすすめ書籍を12月3日に発表しました。2011年に発売されたタイトルが対象で、選出のテーマは「来館者に手にとってもらいたい本」。TRCのサイトで、「1類 哲学」「4類 自然科学」といった図書の分類別に1位を発表しています。
▽ http://www.trc.co.jp/topics/e_ranking.html
「TRCスタッフが選んだ本2012」は、TRCが運営を受託している全国の図書館スタッフの投票をもとに集計・発表されました。対象書籍は2011年1月1日から2011年12月31日までに発売された一般図書です。対象には文庫、新書、全集、画集も含みますが、マンガ、児童書、絵本、ゲーム攻略本は含まれません。有効投票数は2,605票で、名前が挙がったのは計1,354タイトルでした。
図書の分類(日本十進分類法)別の1位は以下の通りです。
0類 総記:『世界の夢の本屋さん 1』
1類 哲学:『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』工藤美代子
2類 歴史(伝記含):『スティーブ・ジョブズ』ウォルター・アイザックソン、井口 耕二
3類 社会科学:『おじさん図鑑』なかむらるみ
4類 自然科学:『宇宙の地図』観山正見、小久保英一郎
5類 技術・工学:『人生がときめく片づけの魔法 1』近藤麻理恵
6類 産業:『9割がバイトでも最高の感動が生まれるディズニーのホスピタリティ』福島文二郎
7類 芸術・美術(スポーツ含):『心を整える。』長谷部誠
8類 言語:『かんさい絵ことば辞典』ニシワキタダシ、早川卓馬
9類 文学:『舟を編む』三浦しをん
文庫:『ビブリア古書堂の事件手帖 1』三上延
その他:『古典基礎語辞典』大野晋
※敬称略
ノンフィクション作家の工藤美代子さんが自らの不思議な体験をつづった『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』が、哲学で1位に選ばれました。社会科学で1位になった『おじさん図鑑』は、おじさんの素晴らしさや味わいを取材・観察してまとめた書籍です。地球から宇宙の果てまで見渡せる『宇宙の地図』が自然科学で、整理収納法を伝授する『人生がときめく片づけの魔法 1』が技術・工学でトップになりました。1位以下のタイトルは、分類別にPDFでまとめられています。
なお、総合順位は以下の通りです。
1位:『舟を編む』三浦しをん
2位:『ビブリア古書堂の事件手帖 1』三上延
3位:『県庁おもてなし課』有川浩
4位:『心を整える。』長谷部誠
5位:『人生がときめく片づけの魔法 1』近藤麻理恵
6位:『未来ちゃん』川島小鳥
7位:『マスカレード・ホテル』東野圭吾
7位:『麒麟の翼』東野圭吾
7位:『世界の夢の本屋さん 1』
10位:『花の鎖』湊かなえ
※敬称略/同一順位も含みます
トップ3については、その書籍を選んだスタッフのコメントが掲載されています。「辞書にお世話になった図書館スタッフのひとりとして、その編纂作業に頭がさがる思いです(『舟を編む』)」「並大抵でない古書の知識に、見習うべきところを感じました(『ビブリア古書堂の事件手帖 1』)」など、図書館員ならではのコメントが寄せられていました。