野村総合研究所(NRI)が実施したソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用者分析が、はてなブックマークでじわじわと注目を集めています。投稿への共感を表す「いいね!」はユーザーの約7割が“建前”でクリックしていた、現実世界が充実している人ほどSNSにのめり込みやすい、といったさまざまな調査結果を公開しています。
▽ ソーシャルメディアはイケてるのか~いま起きてること、これから起きること~(PDF)
▽ http://www.nri.co.jp/publicity/mediaforum/2012/forum181.html
ソーシャルメディアにはまる理由や、ソーシャルメディアをきっかけにした消費などの現状を明らかにするため、NRIは9月にFacebook、Twitter、mixiの利用者実態調査を行いました。上記の資料は、11月12日に開催されたNRIメディアフォーラムで発表されたものです。分析結果は「ソーシャルメディアの利用動向」「ソーシャルメディアユーザーの成長モデル」「ソーシャルメディアが誘発する消費」「企業におけるソーシャルメディア利活用」の4つに分けて紹介されています。
資料によると、9月の時点から直近1ヶ月で各SNSを利用したユーザー数は、Facebookが1,730万人、mixiが1,330万人、Twitterが1,450万人。3つのSNSすべてを利用する人は500万人で、Facebookのみは600万人、Twitterのみは390万人、mixiのみは340万人でした。これらのSNSを使ったコミュニケーション調査では、どれか1つのSNSを毎日利用する人のうち、約6割が毎日「いいね!」(Facebook)/「イイネ!」(mixi)/「RT」(Twitter)をしているそうです。しかし、共感・興味を持って“本気”で「いいね!」をするユーザーは約3割にとどまり、約7割は「見たよ」という意思表示や「仕方なく」「理由なし」でする“建前”の「いいね!」であるとの結果が出ました。
さらに、現実世界でコミュニケーションが豊かな人ほど投稿にコメントや「いいね!」が付きやすく、その分SNSにものめり込みやすいとのこと。一方で、SNSから徐々に離脱していくという人も多く、累計ではすでに離脱者が700万人に到達しているそうです。
これらの調査結果から、各SNSを組み合わせて使うユーザーの特徴が4タイプでまとめられています。3つのSNSすべてを使う利用者は「20代前半の男子大学生で、現実の友だちが多く、様々なインターネットサービスを利用する」というユーザー像になりました。現実世界では「人と会うことが好き」で、交友関係も広く、自ら企画して遊びに行くなどの行動を取るそうです。Webサービスは「LINE」や「食べログ」を常用しており、ブログも執筆。SNSの利用目的は友人とのコミュニケーションで、1日の利用時間は約1時間半だそうです。
他にも、“Facebook×mixi”のユーザー像は「コミュニケーションを重視し、消費は少ない」20代後半で子供を持つ女性、“mixi×Twitter”のユーザー像は「インターネットをよく利用し、ソーシャルメディアをきっかけにした消費が多い」17歳の女子高校生、“Facebook×Twitter”のユーザー像は「AV・デジタル機器をインターネットで購買している」50代前半の男性、といった利用者モデルが紹介されています。
資料ではこれら以外に、各SNSを利用しなくなった要因や、SNSが誘発する消費パターン、資料内で使われている「リアル充実度」と「ネット充実度」の定義などを説明しています。自分がSNSを利用する行動パターンと見比べてみると、興味深い結果になるかもしれません。