日本文学振興会は1月16日(水)、第148回芥川龍之介賞(芥川賞)と第148回直木三十五賞(直木賞)の受賞作品を発表しました。芥川賞は、黒田夏子さんの『abさんご』が受賞。直木賞には、朝井リョウさんの『何者』と、安部龍太郎さんの『等伯』が選ばれました。
▽ 文藝春秋|各賞紹介|芥川賞
▽ 『abさんご』(黒田 夏子・著) | 単行本 | 書籍情報 | 文藝春秋
芥川賞の選考は、無名や新人作家による純文学作品が主な対象です。第148回は5作品が候補に選ばれました。受賞作『abさんご』は黒田さんのデビュー作品。全文横書きで、カタカナや固有名詞を一切使わない“日本語の限界に挑んだ超実験小説”です。昭和の知的な家庭に生まれた1人の幼子が成長し、両親を見送るまでの物語が描かれています。黒田さんは現在75歳で、芥川賞の受賞者としては歴代最年長です。
▽ 文藝春秋|各賞紹介|直木賞
▽ 朝井リョウ 『何者』 | 新潮社
▽ 等伯 上 | 日本経済新聞出版社
直木賞は、新人や中堅作家による大衆小説作品へ贈られる文学賞です。第148回は6つの候補作品のうち2作品が受賞しました。『何者』は、就職活動をテーマにした作品です。朝井さんは、2012年にヒットした映画の原作『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞。直木賞には第147回でも候補に選ばれていました。『等伯』は、屏風画「松林図屏風」を生み出した、安土桃山時代の絵師・長谷川等伯の“誕生”を描いています。