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刀が人を育てることで得る新しい“感情”と“人間らしさ” ミュージカル『刀剣乱舞』3作目、徳川家康の一生に寄り添う物語


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ミュージカル『刀剣乱舞』公式ホームページ

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~三百年(みほとせ)の子守唄~は、同シリーズの本公演3作目として上演されるネルケプランニング制作の作品です。第1作「阿津賀志山異聞」では鎌倉時代、第2作「幕末天狼傳」では幕末の世において、歴史改変をもくろむ時間遡行軍との戦いを繰り広げてきた刀剣男士たち。今作では「阿津賀志山異聞」以来の本公演出演となる石切丸を隊長に、同シリーズ初登場のにっかり青江、千子村正、蜻蛉切、物吉貞宗、大倶利伽羅の5振りが名を連ね、新たな戦場の舞台となる戦国時代へと出陣します。

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(左から)大倶利伽羅役・財木琢磨さん、蜻蛉切役・spiさん、にっかり青江役・荒木宏文さん、石切丸役・崎山つばささん、千子村正役・太田基裕さん、物吉貞宗役・横田龍儀さん

スポットを当てるのは、約300年におよぶ「世界史上、例をみない平和国家」ともいわれる江戸幕府(徳川幕府)の礎を築いた徳川家康の一生。史実では家康に仕えるはずだった松平軍の重臣たちが次々と討ち死にしていくという歴史のひずみをきっかけに、刀剣男士たちが瀕死の松平広忠(徳川家康の父)から赤ん坊を託された場面から物語の歯車が回り始めます。

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阿津賀志山異聞公演を「アメリカの大作映画」、幕末天狼傳公演を「フランス映画」と表現していた、シリーズすべての演出を手掛けている茅野イサムさん。今作の内容については「壮大な大河ドラマのようになっている」と語ります。「家康の一生を描くので、刀剣男士たちの任務はとても長く過酷なものになります。ただ物語としては、刀剣男士と人間の交流を通して、人の優しさや悲しさがにじみ出るような内容です。一度見たら、二度三度と見たくなる舞台になっていると自負しています」

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刀剣男士は刀剣に宿る付喪神であり、元は刀。人の身を得て“心”を持ち、元の主と向き合うことで「歴史を変えてでも助けたい」という思いに悩む様子はこれまでの作品にも描かれてきましたが、今作では討ち死にした家康の重臣の代わりに刀剣男士たちが家康の人生を支えていくという新たな展開が描かれます。家康の一生をなぞるとともに、人間の子供を育てること、そして家康を取り囲む人々に触れることで、新たな感情を知っていく刀剣男士たち。それぞれの寄り添い方で家康の成長を見守る姿は、同シリーズ全体に広がる「役割」というキーワードを感じ取ることができます。

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役の見どころについて「刀ですけど、どこか人間味の増した姿が見られると思います」と答えるのは、石切丸役の崎山つばささん。今作では隊長として刀剣男士たちを率いるほか、家康やその子供・松平信康にとっても大きな存在となる家臣・服部半蔵に成り代わり、家康や信康の人生を見届けます。

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今作からの参加となるにっかり青江役の荒木宏文さんは「刀としての経験は積んでいるけれど“体験”はしていない。そんな刀剣男士たちが家康と一緒に成長していくのが、今作の面白さ」と説明。家康の愛刀として知られる物吉貞宗を演じる横田龍儀さんは「(物吉貞宗は)喜怒哀楽の激しい役。いろんな人に共感してもらえれば」と語り、自身の感情の揺れ動きを見どころに挙げます。

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また、今作には徳川家と深い因縁を持つとされる妖刀・千子村正が登場するのもポイント。その妖しさを舞台上でどう表現し、どのように家康の人生に関わっていくのかも見せ場の1つです。千子村正役の太田基裕さんは「他の刀にはない妖艶さを出していく」と意気込みをコメント。そんな千子村正と近しい関係にある蜻蛉切を演じるspiさんは「蜻蛉切は村正にとって心配の種。いちゃいちゃ……ではないですが、そんな2人の関係性を見ていただければ」と周囲を笑わせつつ、注目してほしい場面をアピールします。

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「あまり表情を出さないクールなキャラなので、たたずまいや目の動きで気持ちを表現できれば」と語る、大倶利伽羅役の財木琢磨さん。誰ともなれ合おうとしない孤高の存在である大倶利伽羅が、人と触れ合うこと、人と心を通わせることでどのように変化していくのかも注目です。

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1部がミュージカル、2部がライブという同シリーズならではの2部構成は今作でも健在。毎作話題になるライブについて、茅野さんは「今回は(キャストの)年齢層が高いですからね。これまでの“アイドルアイドル”した雰囲気とは違い、かなり大人のステージになっています。アーティストのような雰囲気です」と述べます。次々と変化していく衣装のほか、曲もこれまでにない大人のオーラをにじませた内容に。刀剣男士はもちろんのこと、力強いパフォーマンスで6振りを支えるキャストたち、鮮やかなダンスでステージを彩るアンサンブルメンバーも含めた全員が、最初から最後まで客席を魅了していきます。

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東京公演は3月26日(日)まで続き、その後は大阪でも上演が行われます。大千秋楽に当たる4月23日(日)の夜公演は、全国の映画館でリアルタイムのライブビューイング上映が決定。さらに、動画配信サービス「DMM.com」でもリアルタイムで配信されます。詳細は下記のページをどうぞ。

LIVE VIEWING | ミュージカル『刀剣乱舞』公式ホームページ
ミュージカル『刀剣乱舞』 ~三百年(みほとせ)の子守唄~ 特設ページ - DMM.com 動画

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~三百年(みほとせ)の子守唄~

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(C)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

<公演概要>
  • 東京公演:AiiA 2.5 Theater Tokyo
    • 3月4日(土)~3月26日(日)
  • 大阪公演:梅田芸術劇場 メインホール
    • 4月1日(土)~4月9日(日)
  • 東京凱旋公演:AiiA 2.5 Theater Tokyo
    • 4月14日(金)~4月23日(日)
<キャスト>

石切丸役:崎山つばさ
にっかり青江役:荒木宏文
千子村正役:太田基裕
蜻蛉切役:spi
物吉貞宗役:横田龍儀
大倶利伽羅役:財木琢磨

徳川家康役:鷲尾 昇
松平信康役:大野瑞生
竹千代役:阿由葉朱凌 /小島幸士(Wキャスト)
吾兵役:高根正樹
ほか

<スタッフ>

原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMMゲームズ/Nitroplus)
演出:茅野イサム
脚本:御笠ノ忠次
振付:本山新之助
主催:ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会(ネルケプランニング/ニトロプラス/DMM.com/ユークリッド・エージェンシー)
Twitter:@musical_touken


文: あおきめぐみ

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