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第153回「芥川賞・直木賞」の有力候補は? 読者の感想、無料の試し読みをチェック


■ 第153回「芥川賞・直木賞」候補作品を試し読み

第153回芥川龍之介賞候補作品決定!(平成27年上半期) | 文藝春秋

第153回直木三十五賞候補作品決定!(平成27年上半期) | 文藝春秋

芥川龍之介賞(芥川賞)は新進作家による純文学短編作品に、直木三十五賞(直木賞)は短編および長編の大衆文芸作品に贈られる文学賞です。第153回は、各賞で以下の作品がノミネートされました。

<第153回「芥川龍之介賞」候補作品>
  • 内村薫風『ΜとΣ』
  • 島本理生『夏の裁断』
  • 高橋弘希『朝顔の日』
  • 滝口悠生『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』
  • 羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』
  • 又吉直樹『火花』
<第153回「直木三十五賞」候補作品>
  • 門井慶喜『東京帝大叡古教授』
  • 澤田瞳子『若冲』
  • 西川美和『永い言い訳』
  • 馳星周『アンタッチャブル』
  • 東山彰良『流』
  • 柚木麻子『ナイルパーチの女子会』

niconicoのサービス「ブロマガ」では、全候補作品の冒頭部分を無料で試し読みできます。物語の世界観に引き込む導入部分を読んでおくと、作品の雰囲気をつかむことができそうです。
芥川賞・直木賞の全候補作を無料で試し読み!:芥川賞・直木賞発表を楽しもう:芥川賞・直木賞発表を楽しもう(芥川賞・直木賞発表を楽しもう) - ニコニコチャンネル:社会・言論
ブロマガでは、第151回・第152回の各賞候補作品も試し読みできます。

■ 読者は各候補作品をどう捉えた? それぞれの感想をチェック

<芥川賞>

内村薫風さんの『ΜとΣ』は、南アフリカ共和国南西部で早朝、刑務所へと向かう道中の描写から始まります。同書の感想をつづった読者は「『こんな小説こそ自分が書きたかった…(あるいは、これからでもいいから書きたい!)』と思わず口にするような小説なのかもしれない。まだ数ページだが、それに出会った予感」と、その文章力に注目。「言葉の意味も物量も物語の筋もいずれも最適なセンスで躍動しているように思われる」とも表現しています。

新潮 2015年 03 月号 [雑誌]

新潮 2015年 03 月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/02/06
  • メディア: 雑誌

『火花』は、2人のお笑い芸人を中心に展開していく中編小説。著者は、自身もお笑い芸人として活躍する又吉直樹さんです。読者の感想によると、同書を読んでいて「『笑い』や『面白さ』を追求することの深淵を覗き込んだような怖さ」を感じたとのこと。実際に芸人の世界を経験している又吉さんだからこそ生み出せる作中の会話やネタの描き方は「本当に上手い」と述べています。

文學界 2015年 2月号 (文学界)

文學界 2015年 2月号 (文学界)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/01/07
  • メディア: 雑誌

<直木賞>

明治時代の大学を舞台とした『東京帝大叡古教授』は、殺人犯の嫌疑をかけられた大学教授が主人公の歴史ミステリー小説。京都大学大学院法学研究科の奈良岡聰智教授は、同作を手掛けた門井慶喜さんについて「本書で歴史とミステリーを見事に融合させ、新境地を切り拓いた」と評しています。

東京帝大叡古教授

東京帝大叡古教授

  • 作者:門井 慶喜
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2015/03/13
  • メディア: 単行本

SF作品を数多くレビューしている冬木糸一さんは、東山彰良さんの『流』を「台湾の一時代を生きた家族を切り取った作品として、これ以上ない作品」「当時の人々の人生がそのまま投入されているかのような圧倒的な生々しさに、読み終えた時に出てきた感想はただ一言、『圧巻』である」と絶賛しています。

流

  • 作者:東山 彰良
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/05/13
  • メディア: 単行本

■ 受賞はどの作品に? 発表の瞬間を目撃しよう

第153回 芥川賞・直木賞発表&受賞者記者会見 生放送 - 2015/07/16 18:00開始 - ニコニコ生放送

ニコニコ生放送は7月16日(木)午後6時から、受賞作品決定の瞬間と受賞者による記者会見の模様を配信します。選考結果が出るまでは、ジャーナリストの井上トシユキさん、評論家の栗原裕一郎さん、コラムニストのペリー荻野さんが各作品を解説。内容の濃いトークが聞けそうです。紀伊國屋書店の新宿本店や本町店、三省堂書店の神保町本店や有楽町店などでは、パブリックビューイングを実施するとのこと。読書仲間と発表の瞬間に立ち会うのもいいかもしれません。


Title Photo by quattrostagioni

文: あおきめぐみ

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