新潮社の小説レーベル「新潮文庫nex」が、売り上げと読者投票から人気作品を決める「新潮文庫nex総選挙2015」を実施しました。結果は、上位10作品のランキングをサイトで発表。これを受け、このランキングに“入らなかった作品”の中から「読んでもらいたい作品」をピックアップしたブログが登場し、はてなブックマークでじわじわと注目を集めています。
▽ 新潮文庫nex
新潮文庫nexは、新潮文庫が「キャラクター」「物語」「文学」の融合を目指して2014年8月に立ち上げた新レーベルです。総選挙は、刊行から1年の節目を迎えるに当たり、1年間で「読者を最も惹(ひ)きつけた小説」を決める目的で実施。発行部数に応じた「部数ポイント」と、Twitterを通したネット投票数の「投票ポイント」を合算し、選出されました。ランキングは、同レーベルのサイトで公開されています。
1位は、青春ミステリーをテーマにした河野裕さんの「階段島」シリーズ。続いて、2位に雪乃紗衣さんの「レアリア」シリーズ、3位に知念実希人さんの「天久鷹央」シリーズがランクインしています。このランキングに“入らなかった作品”の中からおすすめの小説をブログで紹介したのは、読書好きの大学生だというしゆん (id:shiyunn) さん。しゆんさんは、大好きな作品が1位に選ばれてうれしかったものの、全体の結果としては「否定的な意味合いはなくわくわくして蓋を開けるには、あまりにも普通」と感じたそうです。
▽ 新潮文庫nex総選挙とこっそり推したい選外作品。 - ゆうべによんだ。
そこで、同レーベルの“追っ掛け”を自認するしゆんさんが「密かにランクインを期待していた作品」をブログで紹介。各作品の雰囲気や読みやすさなどを添え、その作品が持つ魅力を語っています。相沢沙呼さんのミステリー作品『スキュラ&カリュブディス―死の口吻―』については、「怪異もの、というか伝記もの、というかファンタジーのような要素も入ったミステリ」「少女の『しにたい』がぎゅっと凝縮されたような雰囲気」と紹介しています。
しゆんさんによると、同レーベルの小説は紙質やフォントなど細部までこだわりが見られるとのこと。最後は「いろんな作品の名前を挙げましたが、自分の手で自分の目で運命感じて作品を手に取ってもらいたいです。カバーデザインの感じだったり、表紙裏のあらすじだったり、冒頭の一節だったり、書店のPOPだったり。そんな出会いの思い出も含めて、誰かにとっての素敵な本になればよいな、と思います」と締めくくっています。
- 作者:河野 裕
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/08/28
- メディア: 文庫
- 作者:相沢 沙呼
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/09/27
- メディア: 文庫