戦国武将や幕末志士と病との関係を現代医療の観点から診断した『戦国武将を診る ~源平から幕末まで、歴史を彩った主役たちの病~』が、朝日新聞出版から発売されました。価格は1,512円(税込)。医療月刊誌「メディカル朝日」で好評だったという連載に、書き下ろしを加えて書籍化したものです。
▽ 朝日新聞出版 最新刊行物:書籍:戦国武将を診る
本書では戦国時代、室町~平安時代、幕末の3つの時代について、その時代を生きた歴史上の偉人たちの病を取り上げ、現代医療の観点から診断し解説しています。著者である早川智さんは、日本大学医学部の教授として、免疫や感染症に関する研究をしています。その知識を生かし、本書では平清盛とマラリア、高杉晋作と結核など、感染症と偉人の関連性についても述べています。
かつては鯛の天ぷらによる食中毒で死亡したともいわれた徳川家康ですが、最近では死因は胃がんだったとする説も。本書の第2章では、家康と膵胆道腫瘍について語っています。同じく第2章では、家康と並んで三英傑と呼ばれる織田信長、豊臣秀吉についても紹介。激しい気性で恐れられた信長については情性欠如型人格障害、なかなか子宝に恵まれなかった秀吉については男性不妊との関連性が、それぞれ言及されています。
幕末の志士として活躍した坂本龍馬に対しては、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の可能性を指摘。平安時代、希代の色男として知られた在原業平については、度々その存在が話題になる「浮気遺伝子」と関連付けて語られています。
歴史ファン、戦国武将ファンも広く手に取れる内容だという本書。偉人たちが抱えていたと思われる病に注目してみると、新たな視点から日本の歴史を読み解くことができそうです。
- 作者:早川 智
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2016/05/20
- メディア: 単行本