国立国会図書館は6月6日、同館の蔵書を紹介する電子展示サイト「本の万華鏡」で、第22回「日本の囲碁-白と黒の戦い-」を公開しました。日本で古くから親しまれている囲碁は、多くの物語に登場したり歌として詠まれたりと、さまざまな形で現代に受け継がれています。歴史上の人物も囲碁をたしなんでおり、貴重な棋譜が残されていることも。同展では囲碁にまつわる歴史的なエピソードを、当時の資料とともに紹介しています。
▽ はじめに|本の万華鏡 第22回 日本の囲碁-白と黒の戦い-|国立国会図書館
人工知能の囲碁ソフトとプロ棋士による対局や、井山裕太さんが史上初の全7冠を独占したことなど、大きなニュースが飛び交う近ごろの囲碁界。もとをたどれば「源氏物語」や「枕草子」にも登場するほど日本で長く愛されてきた囲碁ですが、現在では欧米出身のプロ棋士が日本で活躍するまでになり、幅広い層に広まっているのが分かります。
国立国会図書館による本の展示会「本の万華鏡」の第22回では、さまざまな広がりを見せる囲碁の歴史的資料を取り上げた「日本の囲碁-白と黒の戦い-」を実施。文学作品を通して見る囲碁や囲碁の名著の紹介など、全3章で構成されています。
第1章「文学作品にみる囲碁~古代から中世まで~」では、物語にも取り上げられた囲碁の名人や、文学作品などに描かれた囲碁について、古代から中世に至るまでの資料を中心にピックアップ。掲載されている資料は、デジタル資料の検索・閲覧サービス「国立国会図書館デジタルコレクション」で詳細に見ることができます。第3章「囲碁を学ぶ」では、囲碁の対局の手順を記した棋譜の紹介も。現存する棋譜で日本最古といわれるのは、建長5年(1253年)に日蓮と弟子・吉祥丸(日朗)が対局したときのものだそうです。文政12年(1829年)に出版された『古棋』に掲載されており、山梨県立図書館の「山梨デジタルアーカイブ」で閲覧できます。